中国UBTECHの人型ロボット、EV工場に導入 搬送作業や品質検査で活躍
中国の高級電気自動車(EV)ブランド「極氪(ZEEKR、ジーカー)」のスマート工場で12月7日、40万台目の完成車がラインオフした。工場内で実地訓練中の人型ロボット「Walker S1」も、この歴史的瞬間に立ち会った。 Walker Sシリーズは中国の大手ロボット企業「優必選科技(UBTECH Robotics)」が開発した産業用人型ロボットで、現在のところ世界で最も多くの自動車メーカーに導入されている。。 UBTECHは、さまざまなタスクを計画できる大規模言語モデル、セマンティックvSLAM(意味論的自己位置推定)、学習に基づくモーションコントロールなど、人型ロボットに代表されるエンボディードAI(身体性を持つ人工知能)の主要技術分野でブレークスルーを果たした。Walker Sシリーズは「賢い大脳」と「俊敏な小脳」を備え、運搬、仕分け、品質検査といった多様なタスクを遂行できるよう設計されている。 前世代の「Walker S Lite」は2024年7月、ZEEKRのスマート工場で21日間の実地訓練に参加し、作業員と協力して部品などの搬送作業を実施した。現在は、改良版のWalker S1が第2段階の実地訓練を進めている。 Walker S1は、最大15キロのコンテナを連続搬送可能な上、全身に搭載されたカメラとディープラーニングでトレーニングされたAIにより、エンブレムやライトをミリメートル単位で精密に検査できる。その精度は99%以上を誇る。また、モーションコントロールとナビゲーションアルゴリズムの改善により品質検査の時間も半減した。さらに、品質検査の過程で工場の自動化システムとシームレスに接続し、リアルタイムで検査結果をフィードバック・ビジュアル化することで、正確かつ効率的なタスクの実行を確実にしている。 (36Kr Japan編集部)