子育て中に始めてラグビー歴20年。「50代、60代も参加し続けられるように」グラスルーツの“エンジョイラグビー”とは?
ラグビーは生涯スポーツ? 男性は60代、70代で続けている人も
――高校卒業後にさまざまな競技で女子アスリートの競技登録者数が激減してしまう問題を解消するための「KeepPlayingプロジェクト」の活動について、どのような印象がありますか? 神宮:大変よい取り組みだと思います。平均寿命が伸び、今は80、90歳でも元気な方がたくさんいます。運動をして身体を鍛えることは、心身ともに健康であり続けることにつながると思います。また、チームに所属していると家族以外の人との関わりができるので、人間関係も豊かになりますから。 ――キャリアの中で、スポーツを続けるかどうかについて悩んだ時期や転機はありましたか? 神宮:小学生から中学生までバスケットボールをしていて、高校もバスケ部に入部したのですが、チームの雰囲気が合わず、すぐに退部していまいました。私が負けず嫌いで、むきになって練習している姿を否定されたことが原因でした。私が幼かったせいもありますが、チームメートや先生ともっとコミュニケーションをとっていけたらよかったです。 それから母親になり、息子たちと一緒にラグビーを始めるまで、スポーツとは無縁の生活でした。ラグビーに誘っていただき、はじめは絶対無理と思っていたのですが、ボールを持って走ったら楽しくてやめられなくなりました。年齢とともにケガ等のリスクが上がるので、50歳をすぎた今、そろそろ引退の時期なのか、違うスポーツをするほうがよいか悩むことはあります。しかし、男性は60歳、70歳でもラグビーを続けている方がたくさんいますので、女性もラグビーを続けられる環境ができるといいなと思います。また、今の若い世代がずっとラグビーが続けられるように、私の年代の人たちがやめずに続けていくことに意義があるのでは、と考えています。 ――女性が好きなことを続けるためには、社会、環境、個人、チームなど、さまざまな視点からどのようなことが課題だと感じていますか? 神宮:仕事や出産、育児をする中で、好きなことをする時間や、自分のためだけに行動する時間を作ることは大変なことだと思います。私は母親になってから本格的に運動を始めたので、子どもと一緒に運動できる場所や、子どもたちが習い事をしている間などに自分の時間が持ててよかったです。それには家族の協力も必要です。また、目標に向かって努力したり、一緒に頑張る仲間がいたりすると、続けやすいと思います。