【JBC回顧】ウィルソンテソーロがJBCクラシックを制す 佐賀県出身の川田将雅騎手が地元の大声援に応える
横山武史騎手「今回は逃げることしか考えていませんでした」
ダート1860mで行われたJBCレディスクラシックは、4番人気の3歳牝馬アンモシエラが制した。スタートしてからすぐにハナを奪うとマイペースに持ち込み、2番手にアイコンテーラーという展開。残り1000mを切ったところで徐々にペースアップして後続との差を広げにかかった。 佐賀競馬場は最内の砂が深く数頭分あけて走るが、2周目4角から直線に向くところで鞍上の横山武史騎手は、最内を選択してロスなく立ち回った。これは作戦通りだったという。 「1周目では軽い外目を通して、2周目はギャンブルですけど3~4角で内外の差を使って後続を放せればと思っていたので、理想的な競馬ができました」と振り返った。 今年1月のブルーバードCで接戦を制して重賞勝ちはあったが、春は羽田盃2着、東京ダービー3着と牡馬相手に3歳ダートクラシックで堅実な成績を残すも、勝ちきれないレースが続いた。横山武騎手は羽田盃以来の騎乗となったが「今回は逃げることしか考えていませんでした」とのこと。 4馬身差で2着に負かしたグランブリッジは安定した実績を誇る馬なだけに、腹を括った好騎乗がGⅠ級競走制覇に導いたと言えるだろう。
7歳でついに掴んだ悲願の重賞タイトル
ダート1400mで行われたJBCスプリントは、ゴール前大接戦となったが、石橋脩騎手騎乗の4番人気タガノビューティーが1番人気のチカッパをハナ差でねじ伏せた。 レースはシャマルが逃げ、ピッタリと2番手からヘリオスがマークする展開。7番手あたりから運んだタガノビューティーは残り600mのところから進出を開始して4角は大外を回す形。同じく中団から立ち回ったチカッパはインを突いてロスなく立ち回る競馬で対照的な進路取りとなったが「とにかく勝ちたかったです」という石橋騎手、そして陣営、応援する人たちの執念が最後の差に繋がったはずだ。 これまでダート重賞はかしわ記念の2年連続2着を含め、重賞であと一歩のところまで差を詰めるも、何度も重賞の壁に跳ね返されてきた。そして7歳秋にしてようやく、悲願の重賞タイトルを掴んだ。 管理する西園正都調教師も「ゴール板を過ぎたら涙が出てきました。7歳馬の頑張りに頭が下がる思いです」と嬉しさを口にした。