巨人原監督が明かした2番丸構想の理由と「ぶれない野球」
大型補強をした巨人の評判がいい。沖縄・那覇での二次キャンプを14日、阪神の掛布雅之SEA(オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)が視察、その戦力の充実度合を警戒した。原辰徳新監督(60)は2番に広島からFAで獲得した丸佳浩(29)を起用する考えだが、その理由の一つに「ぶれない野球」を挙げたという。掛布SEAは「広島のV4阻止の1番手は阪神で2番手が巨人」と評したが、やはり今年の巨人は手ごわい?
「丸2番で一気に2、3点を取る超攻撃的野球」
原監督は掛布SEAの姿を見つけると握手を求めてきた。原監督が60歳で掛布SEAが63歳。ほぼ同世代の4番打者として伝統の巨人阪神でしのぎを削ってきたライバルだ。歴史を歩いてきた一流のバットマン同志だからこそ通じ合えるモノがある。 原監督は、丸、新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバ(27)を加えた新打線の構想をこう説明したという。 「原監督の話によると、1番が吉川尚か、陽岱鋼で、2番が丸君。3番が坂本君で4番が岡本君。そうなると5番がポイントになるねと。新外国人なのか、ゲレーロなのか。カギはそこだよね」 新外国人のビヤヌエバは、昨年パドレスで110試合に出場し打率.236、20本塁打、46打点をマーク。4月には打率.338、8本塁打、19打点で、エンゼルスの大谷翔平と共に月間最優秀新人を獲得するなどスタートダッシュに強い。阪神もリストアップしていた強打者で、ネット裏で、そのフリー打撃をチェックした掛布SEAは「変な癖がないので対応できるかもしれない。もしダメでも今年のゲレーロはいい」と要注意マークをつけた。 巨人の外国人は投手がメルセデス、ヤングマンの先発候補2人に、中継ぎにはマシソン、アダメス、抑え候補のクックと5人、野手がビヤヌエバ、ゲレーロ、マルティネスと計8人も抱えており、その起用法にも注目が集まるが、スタートは投手3人、野手1人の布陣になるだろう。ビヤヌエバとゲレーロの出場枠を巡る争いもチーム内を活気づける。 原監督は2番に丸を抜擢する2つの理由を掛布SEAに明かした。 ひとつ目は、丸のプレッシャー軽減。大きな期待と注目を集めて移籍してきた丸を3番に置けば、クリーンナップの責任感から、そのプレッシャーがさらに増すと配慮しての処置だ。 ふたつ目の理由は、「1回に1点でなく、2、3点取る」という超攻撃的打線構想だ。 セイバーメトリクス理論が発端となりメジャーで本格的に採用された2番打者最強論を2年前に楽天が取り入れて、ペゲーロを2番に置き旋風を巻き起こしたが、昨年、広島で打率.306、39本、97打点の丸を2番に置けば、起爆剤となるし、リーグ最多の130四球も、2番で拾えば、絶好のつなぎとなる。しかも、なんとでも細工可能な左打者。広島時代は、タナーキクーマルの1、2、3番が定番だったが、原監督の2番丸構想は確かに面白い。