「史上最大級の難破船のお宝」5選、金銀財宝や象牙を大量に発見、いったいいくらになる?
ボン・ジェズス号 、アフリカ南西部ナミビア南岸
2008年、ある地質学者がダイヤモンドの採掘地の砂浜でダイヤモンドを探していた。すると代わりに、銅のインゴット(鋳塊)を見つけた。 考古学者たちはその後、22トンものインゴット(当時は香辛料と交換するために使われていた)を発見し、さらに100本以上の象牙、青銅製の大砲、剣、天体観測儀、マスケット銃、鎖かたびらなど、全部で数千点もの遺物を発見した。 金も見つかった。2000枚以上もの金貨は主にスペイン産で、フェルディナンド王とイザベラ王妃の肖像が入ったものだが、ベネチアやフランス、ムーア人の金貨などもあった。 この積み荷のおかげで、この船が1533年にインドに向かう途中で遭難したポルトガルの貿易船、ボン・ジェズス号だと判明した。船と積荷は500年近くそのままになっていたのだ。サハラ以南のアフリカ沿岸で発見された難破船の中では、圧倒的に古く、最も貴重なものだ。
沈没船パームウッド、オランダ沖ワッデン海
パームウッド沈没船は、高価な積み荷を入れていた硬材の箱から名づけられた。船には世界中の富が積まれ、そこから17世紀のエリートの生活をうかがい知ることができる。 これらの壊れた箱の中から、ダイバーは銀色の飾り結びの刺繍を施されたエレガントなドレス、精巧なダマスク織りの絹のドレス、南北米大陸のみに生息する昆虫から得られるルビー色の顔料コチニールで染められたビロードのチュニックなど、1500点以上の遺物を発見した。また、銀のカップや食器、高級洗面用具セット、ペルシャ絨毯、16世紀から17世紀にかけての32冊の革装本からなる国際的なコレクションも発見された。 保存修復師たちは、これまでに海底から回収された品々の修復作業で手一杯だが、パームウッド沈没船の大部分は、破壊的な潮流から守るメッシュの保護カバーがかけられていて、未発掘のままだ。
南海1号、中国揚江沖南シナ海
1987年、英国のMaritime Exploration社は、1700年代に沈没したオランダ東インド会社の船を探していたが、代わりに1100年代に建造された全長30メートルの商船を発見した。 厚さ1.8メートルの沈泥の層が、木造の船体と、磁器、宋時代の硬貨、銀の延べ棒などの積荷を保存していた。何年もの間、考古学者たちは南海1号から100点の金製品、数千枚の硬貨を含む数万点の遺物を回収してきた。南海1号から出土した6万から8万点の遺物のほとんどは、南宋時代の陶磁器だ。