法定通貨にビットコイン認めるエルサルバドル、国民の92%がビットコイン使用せず=調査
ブケレ大統領は支持するもののBTCは使用せず
ビットコイン(BTC)を法定通貨として認めるエルサルバドル共和国において、ビットコインで取引を行っている国民は10%にも満たないようだ。サンサルバドル大学フランシスコ・ガビディア校が10月に発表した調査結果により明らかとなった。 18歳以上の1,224人のサルバドル人を対象に、経済から治安まで、さまざまなテーマについて実施された同調査結果では、インタビューを受けた人のうち、ビットコイン取引を行っていると答えたのは7.5%で、残りの約92%はビットコインを使っていないと答えたとのこと。 2021年、エルサルバドルは20年前に採用した米ドルと並べ、ビットコインを法定通貨として採用した世界初の国となった。ただしこの動きは、国際通貨基金(IMF)を含め、不安定な暗号資産を受け入れたとして、ナシブ・ブケレ(Nayib Bukele)政府に厳しい批判を招いていた。 また今回の調査ではビットコインを将来の国の主要戦略にすべきだと考えていると答えた人はわずか1.3%だったという。 また同国が良い方向に進んでいると考えている調査においては、11.8%がとても良い、42.9%が良い、36.2%が普通、と回答。悪い方向に進んでいると回答したのは、全体の7.9%であり、調査対象者の58%が、ブケレ大統領を支持しているとの回答になったとのことだ。 ブケレ大統領は、憲法で連続任期が明確に禁止されているにもかかわらず、再選を目指して2022年に立候補することを表明。 2021年にエルサルバドルの議会で任命されたメンバーで構成された同国の最高裁判所は、ブケレ大統領の再選立候補を認める判決を下し、米国を含む世界各国から非難を浴びたが、今年2月4日の投票の結果、同大統領は再選され任期を継続した。 ちなみにブケレ大統領は、2022年春に非常事態を宣言し、かつて国土の大部分を支配していたギャングを撲滅させた実績などから国内で絶大な人気を誇っているとされている。 なお同国では、ブケレ大統領の新思想党の支持を得て、政府の社会・経済開発プログラムにビットコイン(BTC)を「献金」した外国人に迅速な市民権を与える移民法が承認されている。
あたらしい経済編集部