絶対エース渡辺聖が36得点!横浜BC U15が琉球U15に大逆転で「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」初優勝!
エースが4Qだけで3P6本の大爆発
「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」の大会最終日、決勝は横浜ビー・コルセアーズU15と琉球ゴールデンキングスU15のマッチアップとなった。両チームともに過去に同大会優勝の経験はなく、どちらが勝っても初優勝という状況だった。 試合は序盤から重い展開で進んでいく。両チームともに優れたスラッシャーとフィジカルの強いビッグマンがおり、特にペイントエリアではフィニッシュの部分で相手のプレッシャーを受けてシュートがリングに弾かれる。 思うようにペイントに侵入できないことで、両チームとも3Pシュートもなかなかリズムがつかめず、1Qは7-9と琉球U15が僅か2点のリード。2Qも開始から4分近く経ってもそのスコアは20点にすら届かず、ようやく点が動き始めたのは琉球U15がリズムをつかみかけた3Qに入ってからだった。 「正直、心が折れそうになる時間帯はたくさんあったのですが、何よりも選手が強い気持ちを持って試合をしてくれたかなと思います」 横浜BC U15・京希健コーチが振り返るように、後半は琉球U15が#13 ブレイク ジェレマイア、#56 友寄快星、#88 奥間翔らの力強いリバウンドから、#29 宮里俊佑や#54 越圭司らが走り、3Q残り1分24秒には越のドライブで琉球U15が2桁のリードを取った(31-41)。さらに、4Qには琉球U15の宮里が3Pを決めてリードをこの試合最大の12点に拡大。京コーチが言う「心が折れそうになる時間帯」の一つはここだった。 だが、ここから横浜BC U15のエース#32 渡辺聖が信じられないパフォーマンスを見せる。 まず、宮里に3Pを決められた直後にお返しとばかりにこの試合2本目の3Pをヒット。この1本でタッチをつかむと、次のポゼッションではディフェンスをフェイクで跳ばせ、ステップバックスリーを沈める。これで6点差。琉球U15が後半最初のタイムアウトを取る。だが、勢い付いた横浜BC U15は止まらず、渡辺がタイムアウト明けに2本の3Pを決めて一気に同点に追い付くと、残り4分3秒にはアイソレーションから再び渡辺が3Pをヒット。 これで逆転(53-50)再び琉球U15がタイムアウトで流れを断ち切ろうとするが、渡辺は止まらず、タイムアウト明けにこのクォーター6本目の3Pを決め、そのリードを6点に広げてみせたのだ。しかも、そのほとんどがラインから1~2m後ろの位置からのディープスリーだった。 渡辺はその時間帯をこう振り返る。 「前半は本当にシュートタッチが悪かったのですが、外したことは本当に気にしていなくて、いつもどおりもらったら打つようにしていました。自分は3Pが入る選手だと思い続けて、落ちても『今日はそういう日だ』と割り切ってやっていました。決まったときも特に気にせず、打つタイミングだったから打っただけ。それが結果的に入って、そこから流れが来ました」 前日の準決勝では3P0/9、そして決勝でも前半はなかなかタッチが戻らなかった。だが、外れても打ち続けるシューターのメンタリティが、最後の最後で大爆発する結果につながった。 前述したとおり、4Qは相手エース宮里が先に3Pを決め、その直後に渡辺が3Pを決め返すという展開から、この3Pシューは幕を開けた。だが、そこでもやり返すという意識はあえて持たなかった。「前半はそういう雑念がほんのちょっとあって、多分入らなかったと思うんです。だから無心になろうと。個人で戦っているのではなく、チームで戦っているわけなので、そこは割り切って特に意識してはいなかったです」 あの時間帯の渡辺は、まさに“ゾーン”に入っていた。普段はチームとしてボールをシェアするが、「本当はボールを回してシュートを打つというのが後半のプランだったのですが、『いや、ここは俺にやらせてくれ』とアイコンタクトで味方に伝えました」という渡辺に、チームメイトもコーチ陣も全てを託した。そんなエースの活躍を原動力とした横浜BC U15は、以降一度も再逆転を許さず。最終スコア58-55で歓喜の瞬間を迎えたのだった。 京コーチは渡辺について「下のカテゴリーからずっとウチにいて、ウチのユースを体現してくれているというか、下の学年の頃からずっとリーダーシップを持っていて、(U15に)飛び級で入るぐらい持っているものというか、ウチで培ったものがあると思うので、こういう形で結果が出て良かったです」と笑みを見せた。 渡辺は小学1年生の頃から横浜BCのユースに所属し、今年が在籍9年目。文字どおり最後の舞台で爆発し、チームに初優勝をもたらした活躍は、横浜BCのユース全体にとっても大きな財産となったはず。この試合のスタッツは36得点、3Pシュート7/17(41.2%)という堂々たるもので、文句なしの大会MVP選出だった。