絶対エース渡辺聖が36得点!横浜BC U15が琉球U15に大逆転で「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」初優勝!
優勝まであと一歩と迫った琉球U15
一方、敗れた琉球U15にとっても3Qまではゲームプランどおりの展開。Jr.ウインターカップを終えた今年1月から、それまでアシスタントコーチを務めていた末広朋也コーチがヘッドコーチとなり、大きな成長を見せた。末広コーチは「本当にナイスゲームで、横浜さんの良さを消しながら、相手のエースの渡辺くんがここらがどんな引き出しを見せてくるのかを見ながらの戦いでした。一時10点差くらい付いたのですが、後半に彼の強気な気持ちと僕たちのディフェンスの…悪くない及第点のディフェンスはしていたのですが、もう少し駆け引きできたかなというのが正直ありました。ここを一歩いけていたら、また面白いゲームになったのかなと。そこが勝負の鍵だったのかなと思います」と振り返る。 最後は横浜BC U15に軍配が上がったが、宮里と越のダブルエースをはじめ、スターターの5人中4人が2年生という布陣で優勝まであと一歩と迫った。彼らの戦いもまた、見事であった。昨年まで名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15を同大会3連覇に導いてきた末広コーチにとってもこの大会はチャレンジであり、「新しいチームに行っても本当に良いチームが作れるのか、というのが本当のコーチの力だと思っているので、それを自分自身に課しながらやっています」と試行錯誤の日々。末広コーチは就任当初、「3年後に決勝に来られたら」と考えていたそうだが、選手たちの努力が末広コーチの指導にマッチした結果、想定以上の結果を出すことができた。 宮里は決勝の戦いについて「前半に相手の難しいダブルチームに自分の逃げの姿勢が出てしまって、そこから相手に『このダブルチームはいけるぞ』という気持ちを与えてしまいました。自分の逃げの姿勢が目立ってしまい、チームを勝利に導けなかったのかなと思います」と肩を落とした。だが、同時に敵エースの渡辺から得たものも大きかった。「今回優勝できなかった分、来年は絶対に優勝するんだという目標もありますし、もっと成長しないといけないです。横浜の渡辺さんは本当に責任感が強かったなと感じているので、来年はより責任感というところを突き詰めて、日々成長できたらなと思います」 初優勝に沸いた横浜BC U15と、涙に暮れた琉球U15。その姿は対照的ではあったが、それぞれに異なる収穫があり、それは今後につながる大きな糧となる。今年の決勝戦は両者のハイレベルな攻防の中に、今後の伸びしろを感じるすばらしい一戦だった。 なお、3位決定戦はサンロッカーズ渋谷U15がベルテックス静岡U15を、5位決定戦はライジングゼファーフクオカU15が名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15をそれぞれ下している。 最終結果と個人賞は以下のとおり。 ◆チーム表彰 【優勝】横浜ビー・コルセアーズU15 【準優勝】琉球ゴールデンキングスU15 【3位】サンロッカーズ渋谷U15 【4位】ベルテックス静岡U15 ◆個人表彰 【MVP】 横浜BC U15 #32渡辺聖(180cm/PG・SG/中3) 【BEST5】 横浜BC U15 #32渡辺聖(180cm/PG・SG/中3) 琉球U15 #29宮里俊佑(181cm/PG/中2) 琉球U15 #54越圭司(165cm/PG/中2) SR渋谷U15 #21岸歩武(172cm/PG/中2) 静岡U15 #10太田一平(190cm/SF/中3) 【MIP】 横浜BC U15 #62小椎尾賢太(185cm/PF・C/中3)
取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)