英アスリートがIOCに東京五輪延期要求の声…英メディア報道
新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大を受けて、東京五輪の開催を巡っての情報が世界中を騒がせているが、ついにアスリートサイドから「東京五輪の延期」を要求する声が起きた。英国の高級紙、ガーディアン紙が、「英国アスリートがIOCに2020年東京五輪の延期を要求」と伝えたもの。 同紙によると、昨年の陸上の欧州室内選手権の英国チームのキャプテンを務め、800メートルで五輪の代表有力候補となっているガイ・リアマンスが、「IOC(国際オリンピック委員会)は2020年の東京五輪の延期へ向けて断固とした行動を取らなければならない。7月に東京に行くことは現状でリスクを負うほどの価値がない」と、延期を要求する声をあげたという。 リアマンスは、「自分は(東京五輪が通常通りに)開催されるとは考えていないが、主催者に通常通りに開催ができるという保証がなければ、イベントは延期される必要があると強く信じている」と延期をIOCに訴える考えを明かした。 リアマンスは、4月にドーハ、5月に中国で行われる陸上のダイヤモンドリーグに出場予定だったが、「両大会ともに100%(開催は)ない」と予測した上で、「我々は現実的にならなければならない。英国政府が感染のピークが5月か6月に来るというのであれば、五輪の選考会さえ行われないのかもしれない。オーストラリアでは、すでに彼らの五輪選考会は中止されていて、こうしたことが、数週間、数カ月にヨーロッパ中で起きることを恐れている。少なくとも東京五輪を、10月、ことによって2021年か2022年まで延期してもらえれば嬉しい。そうなれば、選手たちは計画的に練習できるし、さらに重要なこととして、この新型コロナウイルスが落ち着くまでの時間が与えられることになる」とも語っている。 健康に対する不安と選考会を含めた準備への不安があるのだ。 またリアマンスだけでなく、1600メートルリレーの北京五輪銅メダリストのメンバーで世界選手権でも3つのメダルを獲得しているマーティン・ルーニーもまたIOCとワールド・アスレティックス(世界陸連)に対し、「東京五輪が開催されるのかどうかをもっと明確にすべきだ。もし大規模な人数の参加のあるイベントに高いリスクがあるのならば、五輪は行われないし、アスリートにとっては、何もすることはできない。心配なことは、もし開催されるとしても、選手たちは、まだ五輪の代表に入る機会を得ていないということ。もし、自分のコンディションが最高なのに、選考レースのチャンスを得られず、代表に選ばれるためのポイントが必要な状態となれば腹を立てるだろう」と主張した。 明確な方向性を示さないIOCへの不満と、五輪の出場権を得る選考会がどうなるか、という不安があるようだ。