ポガチャル、ワウト、ヴィンゲゴー……ツール&五輪はドリームマッチに!|ロードレースジャーナル
2024年はロードレース史に残る激闘の1年に
ツールやパリ五輪に意欲を見せている選手はまだまだ多数。 特にツールはヴィンゲゴーとポガチャルの新旧王者による決戦にはとどまらない。早くから出場意思を示しているレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)もいるし、ボーラ・ハンスグローエへ移籍するプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)も新たな環境で悲願のマイヨ・ジョーヌを目指す。 そこへ、トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)も名乗りを上げた。2022年大会ではアルプ・デュエズでの激走があり、今年も上位戦線を走って最終的には個人総合13位。年々総合力が上がっており、来季への期待も膨らんでいる。今年の大会で個人総合5位に入ったカルロス・ロドリゲス(スペイン)との双頭体制が見込まれるほか、ゲラント・トーマス(イギリス)がジロとツール連戦を検討しているとの話もあり、状況によっては三枚看板となることも。 スペインの雄・モビスターからは、エンリク・マス(スペイン)が「ツールとブエルタを目指す」との宣言もあった。今年のツールでは第1ステージでのクラッシュで早々と大会を去り、何とか間に合わせたブエルタで個人総合6位。2024年へ充実を図るべく、2つのグランツールに加えて、パリ五輪やロード世界選手権での代表入りにも意欲を見せる。なお、チームは今季浪人状態だったナイロ・キンタナ(コロンビア)の復帰が決まり、来年はジロで総合エースの座を与える見通しだ。 総合系ライダーに限らず、引退を1シーズン先送りしステージ優勝記録更新を狙うマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタンチーム、イギリス)や、今年マイヨ・ヴェールを着たヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)、チーム ディーエスエム・フィルメニッヒ・ポストNLへ移るファビオ・ヤコブセン(オランダ)といったスプリンター陣もツール出場を予定。マッズ・ピーダスン(デンマーク)率いるリドル・トレックは、移籍加入のテイオ・ゲイガンハート(イギリス)との共闘が決定的。 ツールやパリ五輪までの過程を含め、2024年シーズンはロードレース史に残る激闘の1年となることは必至だ。
福光俊介
サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。 TEXT:福光俊介 PHOTO:A。S。O。/Charly Lopez A。S。O。/Pauline Ballet
Bicycle Club編集部