東山を支える、揺るがぬ意志を持つキャプテン松島慎弥【バスケ】
『Softbank ウインターカップ2024』開幕直前ということで、「月刊バスケットボール2月号」に収まりきらなかった注目選手やトピックスを紹介していく。 今日は東山の松島慎弥に焦点を当てた。
IH王者を支える芯の通ったキャプテン
8月のインターハイを制し、5度目の全国大会決勝の末に初の日本一に輝いた東山。言わずもがなエースは瀬川琉久であり、彼と共に“三銃士”を務める佐藤凪と中村颯斗、そしてシックススマンのシューター小野寺星夢らがその原動力となった。 彼らのほかにもカッティングやリバウンドなどのブルーワークで貢献した南川陸斗や、堅実なスクリーンとポストプレーで土台となったカンダ・マビカ・サロモンなど、選手層の厚さもその要因となった。 秋のU18日清食品トップリーグでは、クロスゲームを落とすことも多く8チーム中4位に甘んじたものの、ラスト2試合は美濃加茂と開志国際に快勝するなど、悪くない形でリーグ戦を締め括っている。 華やかなプレーが目を引く今年度の東山。だが、彼らが揺るがない真の理由となっている選手が他にいる。チームキャプテンの松島慎弥である。
182cmとフォワードとしては小柄で、フィジカルがものすごく強いわけでもない。しかし、優れた体幹と南川同様にカットとリバウンドの嗅覚に優れ、3Pシュートも狙える。プレータイムは決して長くないものの、出ている時間は堅実に自分の仕事をこなす頼れる3年生だ。 しかし、そんな松島もインターハイ後にケガに見舞われ、復帰したのはウインターカップの京都府予選ギリギリ。約2か月の離脱を経験した。復帰までの間に彼がどんな思いで日々を過ごしていたのか。トップリーグの美濃加茂戦後に聞くと、以下のように話した。 ──松島選手はインターハイ後のケガがウインターカップ予選まで長引きました。離脱期間中に学びなどはありましたか? ケガをしている2か月で、見て学べた部分が多かったです。今はまだ表現できていないんですけど、今後の自分のキャリアを見据える中で、東山のピック&ロールというのは学ばないといけないと思っていたので、ケガをしていた2か月で少しはピック&ロールに対する考え方を学べたと思います。凪や琉久を見て学ぶというところで自分のレベルアップにもなりました。チーム内の紅白戦などではピックからジャンパーを決められる場面はケガ明けから増えたので、収穫があったと思います。 ──インターハイ後にチームの雰囲気が「どん底まで落ちた」と大澤徹也コーチが話していました。 正直、インターハイで優勝して浮き足立ってしまっていた部分があって。東山は日本一を1回も取ったことないというのもあったので、(インターハイ前は)だからこそ自分たちが頑張ろうというエナジーになっていました。だけど、実際に日本一になって浮き足立ってしまっていました。大澤先生からは「追いかけられる立場を楽しめるぐらいになれ」と言われていたんですけど、それも全然できていませんでした。 ──ケガから復帰するにあたって、どんな意識でチームに合流しましたか? 僕がいない間に頑張っているメンバーが下級生も含めていたので、復帰したからといって僕がズカズカ入っていくのは違うと思っていました。いくらキャプテンで、それまで試合に出ていたとしても、頑張っていたメンバーがいます。なので極論、Bチームからの再スタートでもやっていけるくらいのメンタルで戻りました。 それまで試合に出ていたということは一旦忘れて、チームも良い雰囲気ではなかったので、僕も1からやっていかなければと思ってやっていました。琉久なんかも僕がいない間にすごく頑張ってくれて、彼が八王子学園八王子戦で少しケガをしたときは、2人で外からチームを見ながらできるだけ声をかけていました。自分たちが復帰したときは本当に100%いけるように準備しようということもお互い話していました。