東山を支える、揺るがぬ意志を持つキャプテン松島慎弥【バスケ】
大澤コーチは松島の復帰について、「彼が復帰してからようやくチームの雰囲気が締まってきた気がする」と、その存在の大きさを語っていた。さらには、インターハイ前にチームを激励に訪れたOBの岡田侑大(京都ハンナリーズ)も松島についてこんなことを話していた。 「彼はすごくしっかりとした子でした。自分の仕事をしっかりと分かっている選手だったので、そういう選手がいるということで『これは強いぞ』と感じました」 このショートインタビューでも、自分の考えをしっかりと言葉にしていた松島。何事にも明確な意志を持ち、それを曲げない。それが今の東山のカラーになっている。 大澤コーチは学校生活でも松島の担任を務めているそうだが、朝のホームルームと読書の時間が終わると、真っ先に彼が「先生、今日の練習はどうしますか?」と相談することもあるそう。その熱心さには「まだ朝なのに(笑)」と大澤コーチも笑う。 そうした姿を日々見ているからこそ、大澤コーチは松島に全幅の信頼を寄せ、時には大澤コーチから松島に練習内容などの許可を求めることすらあるという。 松島から意見を求めるときも、その多くは「~してもいいですか?」ではなく、「~することにしました」という話し方になる。そんな芯の通ったキャプテンを見て、2年生の佐藤凪もリーダーシップの部分で大きく成長していると大澤コーチは言う。「ここまでぶれないキャプテンは久しぶりかな」(大澤コーチ)。松島についてそう語る。彼のリーダーシップがあってこその、今年度の東山なのだ。
文/堀内涼(月刊バスケットボール)