佐々木朗希獲得巡り大谷vsイチロー氏が勃発の可能性も
ロッテからポスティングシステムでメジャー入りを目指す佐々木朗希投手(23)の交渉期間が10日、スタートしウィンターミーティング(WM)中の各球団が続々と獲得に名乗りをあげた。交渉の過程でドジャース・大谷翔平投手(30)、パドレス・ダルビッシュ有投手(38)ら現役選手はもちろん、マリナーズOBのイチロー氏(51)ら、各球団がゆかりのある大物日本人を起用する“代理戦争”に発展する可能性が浮上。交渉期限は米東部時間の来年1月23日午後5時(日本時間24日午前7時)までの45日間で「20球団以上」という大争奪戦がいよいよ動き出した。 【図解】佐々木朗希のポスティング制度 どんな手を使ってでも欲しい。朗希を口説き落とすため、各球団は切り札を用意していることを次々に明かした。 これまで多くの日本人選手が所属してきたマリナーズは、地元紙「シアトル・タイムズ」によると、球団会長付特別補佐兼インストラクターを交渉の切り札にするプランがあるとして「イチローが佐々木朗希獲得のために役割を果たすか?」と報じた。RソックスのブレスローGMも「ダイスケ(松坂)、岡島、コージ(上原)、タズ(田沢)ら世界一に貢献した日本人選手の歴史はリクルートで有効だと思う。コージは今でも友人だし、勧誘をより魅力的にするために必要なら連絡したい」と経験豊富なレジェンドを起用する可能性を示唆した。 パドレスのシルト監督も前日9日(同10日)には「彼ができることをやってくれると確信している」と、WBCの侍ジャパンで同僚だったダルビッシュの協力を仰ぐことを期待。もちろんドジャースは大谷、山本がラブコールを送るだろう。ヤンキースも昨オフには山本獲得へ、松井秀喜氏がビデオメッセージを送った。日本人選手に限らずともヤ軍のジャッジ、メッツのソトらスター選手が出馬して、本気度を見せる可能性がある。19年12月にレイズ入りを決めた筒香が「レイズに来ないとキャッシュ監督が夢に出てきそうだった」と言ったように、日本のFA交渉のように指揮官が出馬して熱意を見せる球団もありそうだ。 各球団のGMや監督、代理人ら関係者が集まる米テキサス州ダラスでのWMでは朗希だけでなく、ダル、山本らの代理人も務めるJ・ウルフ氏が、朗希獲得に興味を示す球団について「たくさんだ。30ではないけど、20以上」と20球団以上が興味を示していることを明言。すでに朗希が米国入りしたことも明かし、近日中にも交渉を始めるとした。 さらにドジャースとの密約があるという一部報道を「虚偽のもの」ときっぱり否定。都市の規模や場所などの地理的要因も「それを問題にしたことはない」と、現時点では全球団が横並びであることを強調した。朗希は今月中に日本に帰国し、1月に再渡米して最終的な決断を下す。 各球団は交渉だけでなく、育成計画、起用法、施設案内などをまとめて資料として朗希側に送り、獲得へ力を注ぐ。25歳未満の選手とあってマイナー契約しか結ぶことができず(メジャー出場は可能)、大型契約が不要のため資金力に劣る球団でも獲得のチャンスは十分にある。最終的な決断は25年の「国際ボーナスプール」がスタートする1月15日(同16日)以降となることが確実。ウルフ代理人ですら、球団選びに求めることを「彼を知って2年になるが、完全には把握していない」という状態。朗希へのアピール合戦は過熱していきそうだ。(安藤 宏太)
報知新聞社