営業終了後でも…シャッター越しに声かけ詐欺防止 銀行支店の熱意
高齢者が特殊詐欺の被害に遭うのを防いだとして、大阪府警豊中署(天野清署長)は13日、三菱UFJ銀行豊中支店(播磨良知支店長)に感謝状を贈った。支店は半年ほどの間に被害を3回防いでおり、天野署長は「聞いたことがない。被害を防ぐやる気や熱意がある結果ですね」と行員らをたたえた。 同署によると、支店の行員らは4~9月、来店した高齢者の様子や相談内容に違和感を覚え、声をかけて振り込み操作を止めさせ、警察に通報。被害を未然に防いだという。 署の幹部たちが「今までの防止例と違う」と舌を巻いたのは、4月中旬にあった事例だ。携帯電話で通話しながらATM(現金自動受払機)を操作している高齢者の声を聞き、行員らが声をかけた。ATMの操作と通話をすぐに中断してもらい、近くの交番に相談したという。午後6時ごろの出来事で、支店の窓口はすでに営業を終了してシャッターを下ろしていた。窓口付近にいた行員がシャッター越しに高齢者の声に気付き、急きょ対応したという。 署で天野署長から感謝状を受け取った播磨支店長は「(3回も防げたのは)支店の行員のみんなが、特殊詐欺の被害を防ごうという熱意を持っているから。我々の店舗で被害に遭う人をゼロにしたい」と話していた。【岩本一希】