米議員、オスプレイ運用停止求める 国防長官に書簡「欠陥解明を」
米東部マサチューセッツ州選出の連邦議会議員3人が25日、オースティン国防長官に対して、米軍の垂直離着陸輸送機V22オスプレイの運用停止を求める書簡を送った。AP通信が報じた。APによると、オスプレイに関しては過去に少なくとも21件の重大事故があり、計64人が死亡している。米国内でも安全性への根強い懸念が浮き彫りになった形だ。 【写真まとめ】屋久島沖で引き上げられたオスプレイの機体 オスプレイを巡っては、日本でも鹿児島県・屋久島沖で2023年11月に米空軍の運用機が墜落する事故が起きた。この事故では、変速装置(ギアボックス)内のギアが故障した根本的原因が解明されないまま、今年3月に運用が再開された。議員らは「機体の重大な欠陥が完全に解明されるまでは、配備すべきではない」と指摘した。 APによると、書簡は民主党のウォーレン、マーキー両上院議員とニール下院議員の連名で出された。その中で、「オスプレイは安全上の懸念がある。操縦士らは安全確保のために機体を限界まで追い込んで操縦しているのが現実だ」と述べた。屋久島沖での事故では、マサチューセッツ州出身の乗員も死亡した。 オスプレイは大統領の随員や同行記者団の移動にも利用されているが、今月25日にはニューヨーク上空での飛行中に「エンジン下部から火が出ている」との目撃情報があり、緊急着陸する事案が起きた。 オスプレイは主翼のプロペラの角度を変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機のような長距離飛行を両立できる航空機だ。 米軍はオスプレイの特性を評価し、海兵隊、空軍、海軍で運用。日本では在日米軍と自衛隊がそれぞれ配備している。【ワシントン秋山信一】