プロ注目左腕「覚醒の瞬間」、2試合連続延長14回タイブレーク…夏の大阪大会「準決勝と決勝では何かが起こる!」【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.30』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!甲子園出場校が続々と決まってきました! 7月の最終週は大阪大会の準決勝、決勝戦が行われるのが恒例。今年は27日に準決勝が行われました。大阪桐蔭と履正社の名門校対決が実現し、大阪桐蔭が履正社に5回コールド勝ちを収め、28日の決勝戦に進出しました。 例年、大阪大会は他の地区よりも進行が遅いため、関東周辺の取材が多い私も、大阪大会終盤は会場に足を運びます。 今回はそんな大阪大会の準決勝、決勝から思い出深い試合を紹介していきたいと思います。 【動画】大阪桐蔭の強さに密着
強力打線爆発の兆しを見せた19年履正社、3試合すべて内容が濃かった2021年
Case1:2014年準決勝 大阪桐蔭6-1履正社 ちょうど10年前にも両校の対決が準決勝で実現し、大阪桐蔭が2回までに6対1でリードを広げ、そのまま勝利した試合でした。大阪桐蔭は13年秋に履正社と対戦し、1対13とコールド負けを喫しました。当時のレギュラーだった峯本匠内野手(元JFE東日本)は次のように振り返っていました。 「西谷先生から『やるしかない。やること分かっているよね。弱いんだからやるしかない』といわれたことは覚えています。練習はとてもきついものでしたが、(秋は)良い負けだったと思います」 この試合でみた大阪桐蔭は秋にコールド負けしたチームとは思えない強いチームでした。現在、大阪桐蔭のコーチをしている中村 誠主将、オリックスの香月 一也内野手、元楽天の正随 優弥外野手など精鋭が揃っていました。甲子園出場を決めると、12年以来、2年ぶりの全国優勝を成し遂げています。
Case2:2019年決勝 履正社7-2金光大阪 この年センバツ出場した履正社と、大阪桐蔭を破った金光大阪との対戦。金光大阪はスクイズなど緻密な野球を展開するチームで、守備、走塁の精度の高さはピカイチなものがありました。履正社は、センバツで奥川 恭伸投手(星稜-ヤクルト)に17三振の完封された悔しさからさらに強打が磨かれていました。1回裏に1点を先制した金光大阪でしたが、履正社が長打攻勢で逆転に成功。井上 広大外野手(阪神)、小深田 大地内野手(DeNA)、野口 海音捕手(大阪ガス)の本塁打が飛び出し、7対2で優勝を収めました。決勝戦で強打爆発の予感をさせた履正社は甲子園でもその強打を発揮し、決勝戦で星稜にリベンジを果たし、初の甲子園優勝を決めました。