映画【推しの子】“絶妙すぎる配役”決まった背景。プロデューサー語る「リアルさ」を重視したキャスティング
やはり本当にありがたいことですよね。もちろん打席に立つために、勝負できる企画を立てなければなりません。日々見えないところでやらなきゃいけないことはたくさんあります。でも、運もあって、チャンスで打席に立たせてもらえてることに感謝しています。 ■世間からの賛否をどう受け止めたのか ――そういう意味で、『【推しの子】』のドラマ&映画化決定の一報が出た際の世間の反響は、賛否の声を含めてすさまじいものがありましたが、あのときはどういう感情でいらしたんですか?
やはりあの少ない情報だけでは伝えきれないところもあるなと思っていました。もちろんその中には厳しい意見もありましたが、ファンの皆さまに楽しんでもらえるように、もっと頑張らなきゃいけないと改めて気を引き締めました。 その一方で、私たちが仕事をしていていちばんつらいこと、悲しくなることというのは届かないことなんです。ですから、まずは世の中に届いてくれて安堵した気持ちもありました。 ――情報が解禁されたときは撮影は終わっていたんですか?
ちょうど撮影中でした。時期的にアイのライブシーンを撮るために、2000人以上のエキストラさんの協力が必要だったので、その前に情報解禁をしておかないと人を集められないという事情もありました。 ――今回、ドラマシリーズの主題歌のために、8組のアーティストが楽曲を提供しています。 そこは私と一緒にやってる峠本悠悟プロデューサーがいるんですが、おそらく私のことを恨んでると思います(笑)。 8組のアーティストさんたちと向き合わなきゃいけなかったので、実務を担当した彼は本当に大変だったと思います。アーティストさんたちが書き下ろしてくれた、大切な楽曲に合わせたタイトルバックの撮影も8組分ありました。
スケジュールは本当に大変でしたが、この試みをやりきれなかったら後悔していたと思いますし、アーティストさんたちに失礼にあたります。最終的には、アーティストさんたちも一緒になって面白がってくれたので、本当に感謝でした。 ――主題歌を1曲だけ決めてタイトルバックだけ変えるというやり方もあったかもしれないですが、あえて違った8曲にしたという理由は? 今回は“音楽”にこだわろうと決めていたからですね。「恋愛リアリティショー編」や「東京ブレイド編」など、配信ドラマパートはどんどん話が変わっていきます。そのたびに物語と主題歌をマッチングさせていきたいと考えていました。配信ドラマという特性上、その回だけ観るという人もいるかもしれないので、そこはやりきりたいと思いました。