【親の相続問題】相続税っていくらかかる?申告や納税は10カ月以内!
「親の相続」は経験者であっても、法律は年々改正されているので、この機会に情報のアップデートを。相続銭について相続専門の公認会計士・税理士の石倉英樹さんがレクチャー。 50代のお悩み「老いた親の心配」
名義変更って必要? ≫≫ 法律で義務化されたばかりの不動産登記をはじめ、預貯金や株式なども必須
誰が、何を相続するかが決まったら、次にすべきは相続した遺産の名義変更。預貯金口座は金融機関で故人の口座を解約し、相続人の口座に相続分を振り込んでもらい、証券口座は、相続人が故人と同じ証券会社に口座を開き、株式などを移管してもらうことに。「相続不動産の名義変更はこれまで義務づけられていなかったため、不動産を売却することになった際に、初めて名義変更するケースも見受けられました。けれど、’24年4月から、不動産を相続したことを知った日から3年以内に名義変更することが義務づけられました。違反した場合、10万円以下の罰金が科されます」(石倉さん、以下同)。 【相続後、名義変更が必要となる主な財産】 預貯金(名義変更)▶︎預け入れ先の金融機関へ 有価証券(名義書き換え)▶︎証券会社、信託銀行などへ 不動産(名義変更)▶︎不動産の所在地を管轄する法務局へ 自動車(移転登録)▶︎運輸支局などへ
相続税っていくらかかる? ≫≫ 計算式で算出可能。相続税がかかる場合、10カ月以内に申告&納税が必要
「相続税には基礎控除が設けられていて、一定額までは税金がかかりません。かかるにしても、税率は相続額に準じているため、億単位の遺産でなければ数百万円で収まるケースが多いです。なお、相続税の申告および納付は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内に行う必要があります」。相続税は、①「基礎控除額を算出」、②「遺産総額から①の額を引き、課税対象額を求める」、③「②の額を各相続人に振り分ける」、④「③の額に該当する相続税率をかけて各自の相続税を算出」、⑤「④の額を合計」、⑥「⑤の額を各相続人に配分」の流れで求められる。 例えば…相続人が自分と妹の2人で、親の遺産が5000万円だった場合 ①3000万円+600万×2人=4200万円(基礎控除額) ↓ ②5000万円(遺産の合計額)-4200万円(基礎控除額)=800万円(課税対象額) ↓ ③800万円を法定相続分に従って、姉妹で400万円ずつに振り分ける ↓ ④各自の課税対象額(400万円)に、「相続税の速算表」の税率をかけ、相続税を計算する 400万円×10%(税率)=40万円(相続税) ↓ ⑤姉妹の相続税額を合計する 40万円×2人分=80万円 ↓ ⑥実際の遺産相続割合に従って、相続税の合計額80万円を各相続人に配分する (法定相続分どおりなら姉妹各40万円の相続税、いずれかが全財産を相続するなら1人で80万円の相続税となる)