「気象病」になりやすい人の特徴はご存じですか? 症状やセルフチェック法を医師が解説!
気象病が起きる仕組み
編集部: なぜ、気象病が起きるのですか? 久手堅先生: 「自律神経の乱れ」と「普段から蓄積していたストレスや疲労」が背景にあります。人間の体において、気圧の変化を感じるセンサーは「内耳(ないじ)」という、耳の奥の部分にあります。内耳が気圧の変化を感じ取ると、その信号が脳に伝わり、自律神経に影響を及ぼします。 編集部: 自律神経の乱れについて、もう少し詳しく教えてください。 久手堅先生: 通常、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」が拮抗することでバランスをとっています。しかし、気圧や温度などの変化によって自律神経が影響を受けると、そのバランスが乱れて交感神経が過剰に優位になることがあります。そうなると、めまいや頭痛などの症状が起こるのです。 編集部: 気象病になりやすい人の特徴はありますか? 久手堅先生: 気圧の変化を感じる内耳の感受性がもともと高いことも、気象病を発症する原因になります。そのほか、普段からストレスや疲労が蓄積していると、自律神経のバランスを崩しやすいということもわかっています。 編集部: どんな人に症状が出やすいのですか? 久手堅先生: 男女比を見ると、約7割が女性であることがわかっています。なぜ女性の方が多いのかというと、ホルモンバランスの影響で不調が出やすいことや、男性と比べて筋肉量が少ないことが関係しています。 編集部: 自律神経失調症と気象病は同じなのでしょうか? 久手堅先生: いいえ、厳密に言うと違います。気象病はあくまでも気圧や気温、湿度などの気象条件が変化することで様々な症状が出現します。その一方、自律神経失調症は日常的なストレスや生活習慣の乱れなどが原因となって、自律神経のバランスが崩れることで起こります。ただし、両者の関係は深く、気象変化によって不調が起きると自律神経の乱れが起きますし、反対に自律神経が乱れている人は気象病を発症しやすいとされています。