知らぬ間に重症化も…?「花粉症」の正しい薬の飲み方や副作用について日本人医師が解説
新型コロナウイルスやインフルエンザ、はしかなど気をつけたいものは沢山あるが、この時季特に厄介なのは「花粉症」。 【写真】くしゃみやのどの痛み、頭痛、乾燥肌…春のアレルギー症状、放っておけない「10の兆候」を医師が解説 「花粉症の症状が出ているのにもかかわらず、多くの方が医療機関を受診していないのが現状です。春先にくしゃみや鼻水などが出るとすぐに“花粉症”と自己判断する方がいます。実際には、花粉症といってもスギやヒノキ以外の花粉に反応する場合もあります。 ハウスダストがアレルゲンになっている可能性もあるし、複合的な要因でアレルギーが起きているケースも。ですが多くの方は、くしゃみや鼻水が出ると市販薬で済ませて乗り切ろうとしてしまう。この最初の段階が、花粉症の大きな問題点だと思っています」と言うのは、日本医科大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の後藤穣准教授だ。
知らないうちに重症化しているケースも多発
確かに、忙しい合間を縫って医療機関に出かけるのはなかなか難しい。さらに花粉症の時期ともなると混雑しているクリニックも多く、ついつい市販薬で、と毎年ごまかしながら乗り切っている人も少なくないはずだ。しかし花粉症(アレルギー性鼻炎)のなかには、自分が思っている以上に重症化しているケースが多い。 花粉症治療の指標である「鼻炎アレルギー治療ガイドライン」で発表された年齢別の重症度の分布図によると、20~30代で約6割の人に、スギ花粉症で「重症・最重症」の症状が見られる。40代でも半数以上が重症・最重症という結果だ。「重症・最重症」と聞くと、ものすごくひどい症状に感じてしまうかもしれないが、例えば「鼻が常に詰まっている感覚があり、一日のなかでかなりの時間、口呼吸をしている」+「一日のなかでくしゃみを6~10回する」といった組み合わせで「重症」と判断される。 「毎年症状が出てきてツライ状態に慣れてしまい、自己判断で“こんなものか”と無理をしている人がとても多い。花粉症の症状が出ている場合は躊躇せず、まずは医療機関で受診してほしいですね。そこで何によってアレルギーが起きているのか、症状のレベルがどの程度なのかをしっかりと診断してもらうことが重要です」