知らぬ間に重症化も…?「花粉症」の正しい薬の飲み方や副作用について日本人医師が解説
花粉症の薬は継続して飲むことが重要
さらに後藤先生は、自己流治療になると薬の飲み方に間違いが多い、と指摘する。「花粉症の薬は眠気などの副作用が大きいと思い込み、強く症状が出ている時しか飲まない方が多く見受けられます。そして症状が少しでも緩和すると、そこで投薬を打ち切ってしまう。症状が悪化した時だけなんとなく市販薬を飲む、で済む人は、軽い症状の花粉症の人だけです」 「重症傾向がある人はこういった飲み方では正しい効果が得られません。これは市販薬だけでなく、医療機関での処方薬でも多く見られる問題です。花粉症の治療薬は、継続して飲むことが重要。これは飲み薬だけでなく、点鼻薬でも同様。また、できれば少し鼻がムズムズし始めたという段階で早めに投薬を始めることも大切です。ひどくなる前に治療を始めることで、重症化を抑えることが可能になるのです」 花粉症の薬剤は、化学物質遊離抑制薬や抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などの抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などがある。一般的に使用されることが多いのは抗ヒスタミン薬。これは第1世代、第2世代に分類され、種類も豊富だ。 「以前は花粉症の薬=眠くなる、頭がぼんやりする、口が渇くといった症状を訴える方がいましたが、第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代で敬遠されていた副作用がかなり緩和され、眠気などが出にくいタイプになっています。また処方薬では、2018年に経皮吸収型の貼るタイプの花粉症薬も登場しています。人によって薬の効きやすさは異なりますから、そういった意味でも医療機関での受診は大切なのです」 花粉症というと、レーザー治療や舌下免疫療法が一時メディアで話題になったが、まずは医療機関できちんと診てもらうこと。それが症状緩和への第一歩だ。
From Harper's BAZAAR March 2020