「ほぼ無理ゲー」難関大合格が高校生には酷な事情 試験内容と環境がひと昔に比べて大きく変化
■高校生が使える時間が減少している3つの理由 大学受験が難化する一方で、高校生が使える時間は減少しています。まずはその背景を確認しましょう。 1つ目は部活動の過熱化です。部活動は本来自由に取り組むものですが、なかにはそれが生活の中心になってしまって、まともな高校生活を送れていないことがあります。 実際にスポーツ庁は運動部活動のあり方についてガイドラインを策定し、過熱化しすぎた部活動の抑制をはかっています。しかし生徒さんを見ていると毎日のように部活にあけくれ、学校の宿題をやることすらおぼつかない人がたくさんいる現状は、いまだに変わっていません。
次に、「探究学習」も影響が大きいものの1つでしょう。2022年に学習指導要領が改訂され、「総合的な学習の時間」だったものが「総合的な探究の時間」に変わりました。 一見すると何が変わったのかよくわかりませんが、調べ学習や、発表・プレゼンの時間が増えたということです。その分、他の科目がラクになればよいのですが、そんなことはありません。つまり、以前よりも高校生の負荷が大きくなっています。 最後に、学校行事です。もちろん、学校行事にはすばらしい意義がありますが、行事に気を取られ、学校生活がおぼつかなくなる高校生も少なくありません。最近では、生徒の自主性を重んじた学校行事が増えており、それ自体はすばらしいことですが、その分やることが増えてしまい、勉強時間をけずってしまうことが多いようです。
このように、現在の高校生にとっては数学や英語などの勉強以外の活動に時間を取られる場面が以前よりも多くなっているのです。 ■ネットで情報を手に入れることの良し悪し そんな忙しい受験生にとって希望となるのが、インターネットです。YouTube、SNSなどによって大学入試や勉強に関する情報は、誰でも手軽に、そしてほとんどタダで取得できるようになりました。しかし、これにも罠があり、使い方によっては受験生のデメリットになりかねません。