スタイリスト・西ゆり子「服を変えれば、人生が変わる!でも、教えてくれる場所がない…私が『着る学校』を作った理由」
◆おしゃれな女性が増えれば、日本の社会も変わる おかげさまで、『着る学校』はこの6月で3年目となり、生徒さんの数も6,200人を超えました。私にとっても、70代からの新たな挑戦です。どんどんおしゃれになっていく生徒さんたちの姿を目の当たりにして、私自身もこれまで以上に大いに刺激を受けています。 この学校の基本コンセプトは2つ。ひとつは「着ることを楽しむ」。もうひとつは「着る力を身に着ける」ということです。日本の大人の女性たちは「無難」で「そつのない」装いをするのは上手ですが、自分の「好き」や「個性」を楽しむおしゃれは苦手な人が目立ちます。とくに、40代後半以降の方は、子育て中におしゃれのブランクがあったり、体型が変化してきたり、似合う服が変わってくるなどして、“おしゃれ迷子”になっている人がとっても多いでしょう。 でも、だからと言って、この先、一生おしゃれをすることを諦めてしまうのは、人生があまりにももったいない! そんな大人の女性たちに、もう1度、服を着るときのワクワク・ドキドキを取り戻してほしい。そのために、服の色や素材の選び方、コーディネートのバランスといった基礎知識をしっかりと身に着けていただき、ご自分の本当に好きな服をもっと素敵に着こなせるようになっていただくのが『着る学校』の校長である私の願いです。 具体的な例をあげると、例えば「色」について。最近は、カラー診断ブームもあって、自分に似合う色/似合わない色をもとに、服選びをする人も増えていますが、着る学校では「色はメッセージ!」と伝えています。服の色は、相手に瞬時に印象を与えるので、今日は自分の衣装でどんなメッセージを発したいか、そこから考え始めて、色で自己表現する手法を教えています。 人生100年時代、いくつになっても服を着ない日はありません。だからこそ、自分の好きな服を着ておしゃれを楽しめるようになれば、自分の生き方にももっと自信を持って、これから先の人生を前向きに歩んでいけるようになれるはず。そして、そんな素敵な女性が増えていけば、日本の社会ももっといい方向に変わっていくに違いないと私は思っているのです。 次回からは、実際に『着る学校』で学んでくださった生徒さんたちの体験談を紹介していきます。服がその人の人生にどれだけ大きな影響を及ぼしているのかを、きっとわかっていただけると思います。
西ゆり子
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