「洋上風力」本格化見据える五洋建設、作業船建造に790億円
五洋建設は洋上風力の建設に使う大型基礎施工船(HLV)とケーブル敷設船(CLV)の建造に、合わせて約790億円の設備投資を行う。前期連結純資産額の45・7%に相当する額で、自己資金と借り入れで対応する。2027年度以降に本格化する一般海域での洋上風力発電の建設工事を見据えて、大型作業船の建造を一段と積極化する。 一般海域のプロジェクトでは、風車の大型化に伴い洋上風力を支える構造物「モノパイル」の重量も増加している。自己昇降式作業台船(SEP船)では基礎の施工が困難になると見込まれているため、大型HLVを建造する。さらに、一般海域に加えて将来の排他的経済水域(EEZ)での洋上風力建設を見据えて大型CLVの建造に乗り出す。 CLVに関しては、シンガポールのPaxOcean Groupと世界最大級かつ最新鋭の大型CLVの建造契約を締結した。5000トンのカルーセル(ケーブルタンク)を2基搭載した大型CLVで、気象・海象条件の厳しい外洋においても効率良く安全にケーブルを敷設できる。