三笘薫のシーズン前半戦総括。やや物足りない3G2A、2つの要因。後半戦に向けては「できなかったところを、よりできるように」【現地発】
無理やり仕掛けず、相手を引き付けて
そしてもうひとつ、要因に挙げられるのは、三笘の仕掛けの少なさだった。ブレイクした2022−23シーズンなら単独突破を図っていたであろう場面でも、三笘はパスを出したり、スピードを一旦落として落ち着かせたりすることが往々にして見られた。 ただ、相手の警戒度が上がり、三笘に2人のマークをつけるようになった影響も大きいように見えた。可能性が低い状況で無理やり仕掛けてボールロストするぐらいなら、ボールをキープし、他のオプションを探ろうとする三笘の意図が見て取れた。 実際、三笘がこうした状況を逆手に取り、ゴール前で2人のマーカーを十分引き付けてからパスを出し、ゴールにつなげるシーンもあった。たとえば、11月2日のリバプール戦(アウェー)や、12月30日のアストン・ビラ戦(アウェー)。2試合での得点はまさにこの流れで奪ったものだ。記録として残っていないものの、三笘が間接的にゴールに絡んだ試合も目立つ前半戦だった。 最後に触れたいのが、今年2月に負った腰の怪我の影響である。 2月18日のシェフィールド・U戦で腰を痛めると、最終的に昨シーズンの残り試合をすべて欠場した。今夏に東京で行なわれたプレシーズンマッチで実戦復帰を果たしたものの、シーズンオフを挟んで約5か月に渡って実戦から離れたことから、怪我の影響は懸念事項ではあった。 年内のラストマッチとなったアストン・ビラ戦後、筆者は三笘に「2024年はどんな1年だったか」と聞いてみると、日本代表アタッカーは次のように答えた。 「自分の中では、腰の怪我はすごくポジティブなところがありました。ネガティブなことではありません。今、試合に出場できていることを含めて、色々と見つめ直す時期だった。(あの怪我があったから)今の自分があると思う。それは間違いなくポジティブなことだと思います。 ここから、あの経験を結果として出さないといけないと思ってます。後半戦の残り19試合で、前半戦でできなかったところを、よりできるようにしたい。ブライトンは、もっと上に行けるチーム。個人としては、もっとやらないといけないことは分かってます。(多くの人から)期待してもらっているので、もうちょい頑張っていきたい」 三笘は「前半戦でできなかったところを、よりできるようにしたい」と言う。2025年、三笘の進化に期待したい。 取材・文●田嶋コウスケ
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