【Q&A】子どもの水の事故、どう防ぐ? 対処法は?
もし子どもが流されてしまったら―― 子どもはどう救助を待てば良いのでしょうか。また、救助後の応急処置は何をすれば良いのでしょうか。水難学会の斎藤秀俊会長に聞きました。
Q:子どもが溺れた場合、どうすれば良い?
子どもが沖に流されてしまうなど、自力で戻ることができなくなった場合には、落ち着いて「背浮き」をするように呼び掛けてください。大きく息を吸って肺に空気を溜めると、肺が浮き袋になります。空気が抜けないように、声を出さずにじっと救助を待つことが大切です。靴やサンダルも浮力となるため、川や海などの水辺に入る際は、必ず履くようにしてください。
Q:保護者や近くにいる大人はどうすれば良いの?
溺れた子どもを見つけても、保護者は絶対に飛び込まないようにしてください。救助しようとして、保護者自身が溺れる危険性があります。子どもに「浮いて待て」、「必ず助かる」などと声を掛けたりして安心感を与えながら、救助を待ちましょう。
Q:水から引き上げた際の対応は?
脈がある場合には、素早く人工呼吸を行います。仰向けに寝かせた状態で顎(あご)を上げて気道を確保し、鼻をつまんで軽く吸った息を吹き込みます。これを5秒に1回のペースで意識が戻るまで続けてください。
Q:脈がない場合は?
脈がない場合は心臓マッサージを実施する必要があります。胸の中心に手の付け根を置き、両手を重ねて指を組みます。肘を伸ばし、上半身の体重をかけながら、胸の厚さの3分の1程度まで垂直に圧迫。これを1分間に100~120回のペースで行ってください。人工呼吸2回、心臓マッサージ30回を繰り返します。 息を吹き返したら、嘔吐する可能性があるため、体位を横向きにしましょう。上を向いたまま嘔吐した場合は、窒息しないように口の中の吐しゃ物をかき出してください。また、体温が下がっているので、タオルや上着をかけて保温してください。 これらの対処法は成人でも同様です。
Q:海で気を付けるポイントは?
海では、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に、「離岸流」と呼ばれる強い流れが発生します。離岸流の影響で、知らないうちに沖まで流されてしまうことがあるため、注意が必要です。
Q:川ではどこに気を付ければいいの?
川は一見すると穏やかで安全に見えますが、実は緩やかな流れの場所で事故が起きていることが多いのです。川は急に深みにはまる恐れがあり、立とうと思っても立てなくなることがあります。川の水位が膝上や腰まで達すると危険と言われているので、水遊びの場所を選ぶ際は、膝下を目安にすると良いでしょう。