ベトナムIT最大手、日本にAIセンター開設へ-第1弾で2億ドル
(ブルームバーグ): ベトナムのIT(情報技術)最大手FPTは来年、日本に人工知能(AI)データセンターを開設する計画だ。AI需要の高まりを追い風に海外展開を加速する。
同センターは早ければ2025年1月に稼働を開始する予定。FPTのチュオン・ザー・ビン会長はインタビューで、複数のパートナー企業とともに第1段階として2億ドル(約310億円)を投じると述べた。パートナー企業は示さなかった。
また、同センターは今年2億ドルを投じると発表したベトナムのAI施設と同様に米半導体大手エヌビディアの技術支援を受けるという。
ビン氏は、複数のAIデータセンターに最終的には最大10億ドルを投じると述べた。ベトナム施設は年内に開設予定で、ハノイを拠点とするFPTが単独で資金を投じている。
ビン氏によると、日本のデータセンターは自動車、製造、小売り、ヘルスケアなどに対しサービスを提供する見込み。
さらにFPTは住友商事およびNECとAIに関する協業について協議しているほか、日本の通信業者との合弁事業の可能性も検討すると明かした。
FPTの日本の従業員数は現在3500人だが、25年には5000人に増やす予定。ベトナムでは1万2500人の従業員が日本市場に専念しているという。日本部門の売上高は今年の5億ドルから27年には10億ドルに急増すると見込んでいる。
日本以外ではFPTはエヌビディアの技術支援とともに台湾、韓国、その他の地域でデータセンターの開設を検討している。
ビン氏は、台湾の2社とも半導体合弁事業について協議中と述べた。協議には両社とのベトナムでの半導体設計開発センター設立が含まれるという。
さらにビン氏によると、FPTは来年に10種類の半導体の設計を完了する見込み。25年には世界市場に7000万個の半導体を供給し、そのうち日本向けは1000万個になるという。
原題:Vietnam Tech Champion Accelerates AI Push With Japan Expansion(抜粋)
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Nguyen Xuan Quynh