【雷神番外地】安保瑠輝也が16.6kg差とカリミアンの反則暴走にも負けず判定勝ち、対抗戦は朝倉未来軍が4勝3敗で平本蓮軍に勝利
2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN DECADE』が開催。昼夜興行の夜の部『RIZIN.49』の前に、13時から昼の部『雷神番外地』が行われた。 【写真】レフェリーを巻き込んでの大乱戦となった ▼第7試合 RIZINスタンディングバウト特別ルール 100.0kg契約 2分6R 〇安保瑠輝也(MFL team CLUB es)81.15kg [判定3-0]※60-54×3 ×シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)97.75kg 安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。 2022年6月の『THE MATCH 2022』でRISEスーパーライト級王者の山田洸誓に勝利するとしばらく試合から離れていたが、今年2月の『BreakingDown』で元K-1ヘビー級ファイターのシリル・アビディと対戦し、KO勝ちすると、5月にRIZINでブアカーオとドロー。9月には宇佐美正パトリックに判定勝ち。戦績は26勝(14KO)5敗1分。 カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。10月にイストラテと再戦したが無効試合、12月14日の木村太地戦も無効試合に。200cm、105.8kg。戦績は16勝(8KO)4敗2無効試合。 1R、左へ回り込もうとするYURAよりも先に右へ動いて左右ローを蹴っていく朝久。ステップを踏んで左右ロー、YURAも右カーフを返す。YURAは狙って右ストレート、左フック。朝久が飛び込んでの右フックをヒットさせてスタンディングダウンを奪う。 前蹴りで襲い掛かる朝久。右カーフから前蹴り、YURAも右ストレートで反撃。その右ストレートを朝久の左フックに被せるように打ち込んで朝久に膝をつかせてダウンを奪い返す。朝久が右フックを入れるとYURAが左フックを返す。朝久のパンチをブロックしてのパンチを狙うYURA。朝久は再びローで勝負するが、YURAはそこへ右ストレートを合わせる。 2R、ローの蹴り合いから互いにパンチに狙う。朝久は後ろ蹴りから左右フック、YURAも右フック。YURAは左右の前蹴りから右カーフ、朝久は構えをスイッチしながら前へ出ていき、強烈な右ロー。そこからボディを攻める。YURAは一気に前へ出て右ストレートを放つが、朝久は打ち合わずステップで距離をとる。YURAが前へ出るところに朝久がワンツーをカウンターで打ち込み、パンチをまとめる。YURAも受けに回らず攻めの姿勢。YURAは左へ動きながらの左フックをヒットさせ、朝久は鼻から出血。前に出るYURAだが朝久がワンツー、顔面前蹴りをヒットさせてこのラウンドを優勢に終えた。 3R、右を同時に放つ両者。YURAのジャブに朝久は右を合わせに行き、すぐに右ロー。YURAは自身のフィニッシュブローである右を強打していくが、朝久は打ち合わずインローを蹴ってからの左右フック。飛び込んでのジャブに朝久はインロー。YURAの右フックをもらう朝久だが前に出ていき、組み付いてYURAを倒す。YURAはあくまでも右ストレート、朝久はハイキックを見せてからのバックハンドブロー。朝久がボディをヒットさせればYURAも右ストレートを当てる。それでも前に出る朝久が右ボディストレート、YURAの右ストレートにカウンターの三日月蹴りを突き刺して2度目のダウンを奪う。ラッシュをかける朝久は左ハイ、1回転しての左ミドル。 ジャッジ3名とも28-25で朝久がYURAにプロ初黒星を付け、BLACK ROSE軍に初勝利をもたらした。 朝久はマイクを持つと「俺がRIZINに上がることでいろいろ言われましたが、楽しんでもらえましたか? ハッキリ言って一番強いヤツは俺がやったので、残りの三浦選手、篠塚選手、カリミアンもやってくれると思うので応援お願いします。K-1からRIZINに上がるのはK-1を誇りに思っている気持ちがあるし、K-1から乗り込んで来た身として世界中に病気で苦しんている人がいると思うので、ファイトマネーを全額寄付します。K-1最強を証明していくので朝久泰央とK-1の応援をお願いします。K-1最高!」と語った。 両者リング中央に行くと、野田はヤンキー座り、篠塚は正座する。 1R、野田は右カーフを蹴り、圧をかけてくる篠塚に下がっていくと左フックもらってグラつく。もう一度篠塚が左フックを打つと右ストレートをフォローしてダウンを奪う。 篠塚は飛びヒザ蹴り。前へ出る篠塚は笑みを浮かべ、野田は左ローを蹴る。ジャブで前に出る篠塚が野田のヒザ蹴りに右フックを合わせ、野田は左右フックで前へ出てくると右カーフ、そこへ篠塚がジャブを合わせて2度目のダウンを奪う。立ち上がった野田に最後は篠塚が左フックを見舞い、篠塚の完勝となった。 マイクを持った篠塚は「野田くん弱かったから面白くなかったけれどさっきの赤田の試合、勝ってたよね? そういうこと。来年、俺はMMAやるから。来年ヒロヤやろうね。よろしく。やるんだろ、お前」とマイクアピール。 観客席にいたヒロヤが怒りの表情でリングに上がり、篠塚と額と額を押し付け合ってのフェイスオフ。ヒロヤは「やったるわ。お前が逃げんなよ」と言えば、篠塚は「打撃もロクに出来ないくせにへなちょこが」と挑発した。 1R 1分23秒 左フックから右ストレート じゃぶ、 左フック パトリック×細川 1R、パトリックが右カーフで先制、細川も右ローを返す。じりじりと近付くパトリックが左右フックで細川にロープを背負わせるが、細川も右フックを一発返す。細川は胴廻し回転蹴りを繰り出すが空振り。回り込んでいく細川にじりじりと近寄るパトリック。細川の飛びヒザにはパトリックが左フックを合わせる。細川は右のジャンプしてのハイキックを放つがパトリックはブロック。パトリックは前蹴りから左フック、パトリックの右ミドルには細川が右フックを合わせに行く。 2Rもじりじりと前に出るパトリック。細川は左三日月を蹴る。リングを大きく回り込む細川は左右に動いてロー、左ハイも放つ。ニヤリと笑うパトリック。左右ミドルを蹴る細川にパトリックは右フック。ロープを背負う細川にパトリックが飛び込んでの右ボディを打ち込むと、細川はロープに座るようにダウン。 再開すると前へ出るパトリックが首相撲からのヒザ蹴り。細川は蹴りを出して右へ大きく回り込んでいくが、パトリックが強烈な左ボディからヒザ、左右連打。さらにコーナーへ詰めると左右ボディの連打。細川は悶絶してダウンし、パトリックのKO勝ちとなった。 これで対抗戦は3勝3敗となり、勝敗は大将戦に持ち込まれた。 パトリックはマイクを持つと「対抗戦に選ばれてしっかり倒して、自分をアピールするというか勝って当たり前の試合やと思ったけれど、これだけ時間かかってまだまだだなと思ったし、これからまた頑張るので応援よろしくお願いします」と、満足していないと語った。 2R 2分59秒 KO カリミアン 安保 カリミアンは“昭和の反則王”悪役プロレスラーであるタイガー・ジェット・シンの入場曲「サーベルタイガー」で入場。 1R、まずは安保がジャブでボディを突く。そのジャブをボディに打ってからの右フックをヒットさせる安保。右へ回り込みながらボディにしっかりパンチを当てていく安保。カリミアンの右フックは安保がダッキングでかわす。カリミアンが場内を見渡すようなパフォーマンスをすると、安保が一気に近付いて殴りかかる。安保がガードを下ろして挑発すると、カリミアンも顔を前に突き出して“打って来い”とアピールする。 2R、安保がスイングしての右フック、カリミアンがすぐに前へ出るが安保はフットワークでかわす。左右フック、ボディへのジャブと当ててステップで動く安保。左右ボディからの右ストレート、左フックをクリーンヒットさせた安保だが、やはり体格差が影響か、カリミアンは“効いてないよ”という顔をして前へ出ていく。安保がジャブをボディへ打つと、カリミアンは両手を広げて挑発。 3R、カリミアンが左右フックを打つと、安保は左右ボディから左右フックと手数を出す。カモンゼスチャーのカリミアンが右を出したところに安保が右のカウンターをヒットさせる。前へ詰めるカリミアンに安保は警戒に左右へ動く。ロープに詰められると安保はクリンチワークでカリミアンの動きを止める。ジャブ、ワンツー、ジャブとボディへパンチを集中させる安保。カリミアンには疲労が見える。 4R、カリミアンが右ストレートを打つと安保も右を合わせに行く。前に出るカリミアンがコーナーへ詰めて安保に連打するが安保は落ち着いた様子。安保がジャブを打つとカリミアンはノーガードで“効いてないよ”とアピール。さらに安保は左右フックもカリミアンは平気な様子。前へ出るカリミアンは顔を前に出して「もっと打ってこい」と挑発。安保が右を打ってくるとカリミアンはそこへ右を合わせようとしたが安保が空振りさせた。 5R、ジャブを突く安保に左右フックで突っ込むカリミアン。ここで互いに足を止めて打ち合いをし、安保の左右フックがカリミアンを捉えるが、カリミアンはのっしのしと前へ出て来る。安保は右ボディ、右ストレート、ボディへのジャブ。カリミアンは何かを喋りながらパンチを繰り出すが、もうスピードがない。ノーガードで誘うカリミアンに安保が右ストレートからの左フックを打つと、カリミアンが明らかに後退。 6R、「カモン」と安保を煽るカリミアンは反則のバックハンドブローを放つ。注意を受けるカリミアンだが片手を上げて観客にアピール。再開すると今度は安保がバックハンドブローをやり返し、またもカリミアンはバックハンドブロー。レフェリーが制止に入ると、これを無視してレフェリーを挟んで安保と打ち合う。 再開後、安保の左フックでカリミアンが明らかにグラつく。ここで安保が前に出て右ストレート、左右ボディからの左フック。するとカリミアンがまたしても反則のバックハンドブロー。カリミアンは全く悪びれる様子はなく手を挙げて観客にアピールする。カリミアンには警告。再開後、安保はワンツーで前に出て右ストレートをクリーンヒット。下がるカリミアンへパンチを繰り出すが、カリミアンも打ち返して試合終了。 カリミアンは堂々と右手を挙げてアピール。判定はジャッジ三者とも60-54で安保の完勝となった。なぜか大笑いするカリミアン。 安保はマイクを持つと「ぶっ倒すつもりだったけれど、弱いとか軽いとか言ってたけど俺に攻撃できなかったカリミアンの負けです。来年ガルシアと戦いますけど、5月に朝倉未来さんが平本と戦うので、俺に出来ることがあれば何でも協力します。日本の格闘技界のために未来さん、絶対に勝ってください。俺もガルシアと戦うためにアメリカへ行くのでよろしくお願いします」と朝倉にエールを送った。 この安保の勝利により、対抗戦は4勝3敗で朝倉未来軍の勝利となった。
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