不安で眠れない…そんな時にとるべき行動・とってはいけない行動を公認心理師が解説
週3日以上不眠が続いたら受診を! 考える疾患とは
編集部: 週にどれくらい不眠だった場合、受診をしたらいいですか? 鍋田さん: 週に3日以上の不眠が3ヶ月以上継続した場合不眠症の可能性があります。そのため、週3日3ヶ月の不眠が目安ですが、日常生活にどの程度影響が出ているかも重要です。仕事に集中できない、日中の眠気が強い、眠れないことが強いストレスになっているなど、日常生活に影響が出ていると感じた場合は受診をした方がいいかもしれません。 編集部: 不眠で考えられる病気について教えてください。 鍋田さん: まず、「不眠症」が考えられます。ほかの病気として、「概日リズム睡眠障害」「過眠症」「ナルコレプシー」「睡眠時無呼吸症候群」などもあります。また、「うつ病」の症状として不眠もあります。具体的な診断は病院を受診し、検査などを通して医師に診断してもらう必要があります。 編集部: 不眠で受診をする場合、どの科を受診すればいいのでしょうか? 鍋田さん: 内科、精神科、心療内科、呼吸器科などが考えられます。不眠の原因によって受診した方がいい科は変わりますが、かかりつけ医がいればまずはそこで相談してもいいと思います。嫌なできごとがあったなど、ストレスに心当たりがあり不眠症状が出ている場合は、精神科や心療内科を受診してもいいかもしれませんね。数は多くないですが、睡眠外来など睡眠専門の病院もあります。病院受診をしても不眠症状が続く場合は、専門病院を受診するようにしましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 鍋田さん: 睡眠はとても大切です。日本人は海外の人と比べて睡眠時間が短くなっています。睡眠時間が短くなると、様々な病気のリスクが高まる、仕事や勉強のパフォーマンスが下がる、子どもの発達に影響が出るなどのリスクがあります。不安で寝られない時も適切な行動を取ることで、眠りやすくなります。また、人は気付かないだけで一晩の中で何回も覚醒しています。そのため、夜間に起きることは普通のことなのです。必要以上に気にせず、「前の日眠れなかったから翌日眠れるだろう」「睡眠は短いけど影響は少なそうだな」などの考えを取り入れ、睡眠に対して完璧主義を減らしていけるといいですね。ただ、眠れないと感じる状況が続き、日常生活に影響が出ている場合は受診を検討するようにしましょう。