大学受験勉強のやる気を引き出す「タイプ別の目標設定方法」を解説!
高校生を指導する際に苦労するのが、目標を設定し、大学受験に対するモチベーションを最大限に高めることです。受験勉強に本気で向かわせるためには「目標を絶対に達成したい」という強い思いを持って、志望校を定めることが重要になります。 まだ受験への意欲が高まりきっていない生徒に受験へのモチベーションを高めてもらうために、私は受験生を4つのタイプに分けてアプローチしています。子どもをいずれかのタイプに当てはめて、将来について考えさせることが受験勉強のやる気を喚起する上で有効であることがわかりました。それら4つのタイプの詳細について解説します。(鈴木優志:大学受験専門AXIV ACADEMY 代表) 【新課程】2025年共通テストの時間割を見てみる
早期に大学受験の意欲を高めておくべき3つの理由
高校1年生、2年生の早い段階でモチベーションを高めて大学受験勉強に向かうのが、受験対策をする上では理想といえます。その理由としては以下のような点が挙げられます。 (1)復習範囲を最小限にできる 大学受験の勉強を高校3年生からスタートすると、1、2年生の2年間で習ったことの復習から始める必要があります。それと並行して3年生で新たに習うことも学習しなければならないため、学校の勉強と受験勉強の両立が難しくなるおそれがあります。一方、たとえば2年生の夏に受験勉強を始めたら復習する範囲は1年半分、2年生の初めなら1年分、1年生の夏なら半年分というように、始める時期が早ければ早いほど復習範囲はより少なくて済みます。 (2)偏差値を上げやすい 模試の偏差値は、ライバルとの学力の差がどれだけあるのかを数値化したものです。受験勉強を始めている高校生がまだ少ない、模試の平均点が低い段階で努力して点数を上げれば、偏差値は飛躍的に向上します。その結果、「勉強を頑張れば成績が上がる」という実感を得ることができ、モチベーションも上がっていきます。逆に、皆が当たり前のように受験勉強をしている3年生の段階では、偏差値を上げることが難しくなります。 (3)受験までの勉強時間の総量を増やせる 私が参考書を分析したところ、3年生の時点で偏差値45の場合、私立上位大学といわれるMARCH(明治・青山学院・立教・法政)・関関同立(関西・関西学院・同志社・立教)に合格するには約1,200時間の勉強が必要になります。また1,000時間あれば、高校初級程度の学力からでも日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)・産近甲龍(京都産業・近畿・甲南・龍谷)と呼ばれる中堅レベルの大学に合格する学力を身につけることが可能です。 2年生の4月から受験勉強を始めるなら、毎日3時間、1年生の4月からなら毎日1.5時間勉強すれば3年生までに1000時間を確保できる計算になります。もちろん早期に勉強を開始し、1日当たりの勉強時間をもっと増やせば、さらにレベルの高い上位校や国公立大学等に合格できる可能性も高まります。 このように、早い段階から受験へのやる気を引き出すことは、その後の受験を有利に運ぶ上で重要になってきます。そして、まだ受験生になる実感が持てない子どもの受験意欲を高めるためには、目標設定が欠かせません。