後継者不足…倒産する企業が過去最多に迫る 「事業承継」の難しさを取材
日テレNEWS NNN
後継者がいなくて倒産するケースが、全国で相次いでいます。後継者探しに奮闘する中華料理店と、片や、家業の畳店を継ぐことを決めた若者を取材すると「事業を引き継いでいく難しさ」が見えてきました。 ◇ 「飲み物こぼすと めちゃくちゃ焦る 畳で居眠り 顔に痕つく 手裏剣投げられ 畳で防ぐ 畳でゴロゴロ和の心 えい!」 祭り会場を盛り上げるラップ。観客も歌に合わせて、手を振り、手拍子します。このラップのテーマは… 「タータタッタ!『タタミ』!! タータタッタ!『タタミ』!! わっしょい! わっしょい! お祭り騒ぎ」 「畳(たたみ)」です。歌うのは徳田直弘さん(33)。地元の福岡県朝倉市で、畳店で働きながら“畳屋ラッパー”として活動しています。実家は創業119年の老舗畳店「徳田畳襖店」。ですが、徳田さんは一時は家業を継がず、高校卒業後は半導体関連メーカーに就職し、その後、ミュージシャンの道へ。
“畳屋ラッパー”徳田直弘さん(33) 「畳業界が衰退していっているので、この業界は仕事をしていく上で、商売ができないんじゃないかなと。それもあって継ぎたくなかった」 「畳業界でも、い草業界でも、やっぱり後継者がいないので、閉じちゃう方が多いです」 そんな中、家業を継ぐ決意をした徳田さん。きっかけは… 家業の畳店を継ぐ徳田直弘さん(33) 「畳の歌を作ってみて、それをライブで披露したときに、いままでは経験したことないぐらいの歓声と、お客様の笑顔とか見て。家業畳屋だし、畳業界・世の中のためになるような人になろうと思って、家業に入っていった」 家業を継いだものの、地元を離れる同世代も多く、商売を続ける上で、客数の減少や従業員不足などの課題もあるといいます。
そこで徳田さんは、ラップ以外にも畳を使ったアート作品で個展も開催するなど、家業の「畳」を積極的にアピール。新たな試みで、畳の良さを広げようとしています。そんな姿を隣で見続ける現社長の父・幸生さんは。 畳店の社長 父・徳田幸生さん 「やっぱり(事業が)活性化しているところがありますね。その分、仕事が増えてきてありがたいと思っています」