後継者不足…倒産する企業が過去最多に迫る 「事業承継」の難しさを取材
いま全国的に問題となっているのが「後継者不足」です。帝国データバンクによると、「後継者難」による倒産は、今年1~10月までの時点で455件と、過去最多に迫る勢いです。(去年同時期は過去最多の463件) ◇ 群馬県前橋市で中華料理店「チャイニーズダイニング天壇」を営む、長谷川弘之さん(73)。看板メニューの「海鮮おこげ」など、150種類以上のラインナップが売りで、25年以上“地域の味”として地元に愛されてきました。 常連客 「10年以上(通っている)」 「もっとだよね?」 常連客 「中華を食べるときに、この店がいいねって。地域にとって慣れ親しんだ味の中華のお店」
長谷川さんは、約2年前から後継者探しを始めたといいます。 店の後継者を探す 長谷川弘之さん(73) 「身内の人とか、いろいろ相談したけど『後継ぎ、俺がやってみる』という人は誰もいなかった」 そこで現在、取り組んでいるというのが、企業や店が実名を公表して後継者を探す「オープンネーム」と呼ばれる方法です。 長谷川さんが参加したのは、日本政策金融公庫が主催する、事業承継の「マッチング行事」です。 店の後継者を探す 長谷川弘之さん(73) 「(求めるのは)地域密着に対しての情熱があるかどうか」
日本政策金融公庫によると、企業が行う後継者探しは、従業員や取引先への影響を防ぐため、一般的には経営者が水面下で行うケースが多いといいますが、逆に、企業名を公表した場合、多くの情報が提供でき、円滑に事業承継を進められる利点があるといいます。 イベントをきっかけに、長谷川さんのもとには関心のある人から問い合わせも。 店の後継者を探す 長谷川弘之さん(73) 「お客様や常連さんがいますから、中華をこのままやっていってもらえれば、ありがたいかなと」 (11月19日放送『news zero』より)