写真：クラウド Watch

　株式会社Preferred Networks（以下、PFN）、三菱商事株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ（以下、IIJ）の3社は23日、AI向けクラウドサービスを提供する合弁会社として、株式会社Preferred Computing Infrastructure（以下、PFCI）を2025年1月に設立すると発表した。新会社の出資比率は、PFNが51％、三菱商事が39％、IIJが10％。 　PFCIは、PFNが開発する国産の省電力AIプロセッサー「MN-Coreシリーズ」を用いた、AI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform（以下、PFCP）」の提供・運用・サポートを主な事業内容として、2026年初に業務を開始する予定。 　3社は、AI技術の開発・社会実装には莫大な計算力が必要で、継続的かつ安定的な計算力の拡大が不可欠である一方、計算力の増強に比例して増加する電力消費量と排熱は最大の課題で、AI技術の持続的発展にはAIプロセッサーの電力あたりの演算性能の大幅な向上、データセンター基盤における演算装置の高密度化が極めて重要だと説明。 　新会社のPFCIでは、電力性能に優れたMN-Coreシリーズを主な計算力とする高効率な計算基盤を構築し、AI向けクラウドサービスPFCPとして、需要が急増するAI向け計算力を安定供給する。 　PFCIでは、PFNが省電力AIプロセッサーMN-Coreシリーズの開発と技術支援を担い、三菱商事がビジネスネットワークを活かした事業戦略の立案とマーケティングを担当する。また、三菱商事グループのMCデジタル・リアルティ株式会社が提供するNRT12データセンターに高効率計算基盤を構築し、クラウドシステムおよびデータセンターの保守・運用にIIJの高い技術力を導入することで、堅牢で安定したサービス提供を実現するとしている。 　今後、PFCIは、AI向け計算力の提供にとどまらず、複雑なモデリングやシミュレーション向けHPC（ハイパフォーマンスコンピューティング）への用途拡張、顧客企業独自の大規模言語モデルの構築支援などに事業を拡大していくとしている。