経営者はみんな頭を抱えていることなのに、タレントは他人事だと思っていてヤバすぎる!? 西野亮廣が、日本の芸能界の“明日”を予測! 円安、インバウンド、資材高騰、AI台頭、高齢化…時代やテクノロジーの影響で、仕事は減り、ギャラは下がる
インバウンドに舵を切っている企業はテレビCMは打たず、日本人が観る番組の広告費は安くなっている。ゆえに、そこから支払われるタレントのギャラは下がる一方…
23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。海外での活動も増えているからこそ、日本が崖っぷちギリギリで向き合っている危機を、イヤと言うほど感じている。今回は、タレントや芸人について語っているようで、すべての日本人に耳の痛い未来予測だ! 今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。 【動画】西野さんの最新作、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』 今日は【日本のタレントはこれからどうなるの?】です。
「外的要因に目を向けていない」これは結構危険だなぁと
今日は「タレントさん達は、この問題に蓋をしすぎじゃない?」という話をしたいと思います。 先日、移動中の車内で「AI芸人は出てくるのか?」「AIは芸人の競合になるのか?」みたいな話題がフワッと湧いたのですが、僕個人的には、「AI芸人」が出てくるイメージは無くて、出てきたところであまり面白くはないと思っていて、「AI芸人」が芸人の競合になることは無いと思うのですが、一方で、人々がAIを使って遊ぶ時間は確実に増えるので(可処分時間の奪い合いになるので)、結果的にAIは芸人の競合になる(芸人はAIに仕事を奪われる)と思っています。 この時の問題は、「芸人がどれだけ技を磨いても、こればっかりはどうしようもない」といったところ。 芸人個人の「努力不足」「才能不足」で仕事が減るわけではなくて、時代やテクノロジーといった外的要因によって芸人の仕事が減る‥という話です。 僕は仕事柄、芸人やタレントの友達が結構いるのですが、生き残っている人は皆、自責思考で、「全ての原因は私にある」と考える人達です。 それは本当に素晴らしいことだと思うのですが、一方で、「だからこそ外的要因に目を向けていない」というところもあって、これは結構危険だなぁと思っています。 経営者さんなら当たり前のように考えることですが、たとえば「資材の高騰」に頭を抱えるタレントさんってあまりいないんです。 普通に考えて、「資材が高騰している中、日本人のお客さんの収入は上がっていない」という状況は、演劇の舞台に置き換えると、「美術セット費は高くなっているけれど、チケットの値段は上げられない」という状況だから、行き着く先は「これまでのような美術セットは作れない」ということで、シンプルにパフォーマンス(お客さんの満足度)は落ちちゃう。 舞台役者さんなら「資材の高騰」で予算が圧迫されて、稽古場を押さえる予算が削られ、稽古日数が減らされて、十分な稽古ができないまま本番に臨む…ということもあるでしょう。 なので、「資材の高騰」がタレントさんの仕事に影響しないわけがないのですが、どういうわけか、皆さん、この問題に目を向けない。 今、日本中の経営者が「このままでは会社を守っていけないから、外国で売れるものか、インバウンドをとらないと! でも、どこから手をつければ…」と頭を抱えてらっしゃると思うのですが、一方で、「自分を海外で売る」とか「海外から来られる観光客に自分を売る」と考えているタレントさんは、ほとんどいません。 (『ゴット・タレント』に挑戦する人がチョコチョコいるぐらい)