「“女性だから”の一言でかき消さないでほしい」市井紗耶香が子育て中の選挙活動で感じたつらさ
一歩ずつの歩み寄りで個人の意見を認め合える社会に
――子育て中の方に限らず、外から見るとどこがつらいのかがわからないので、「つらさを見せないと理解してもらえない」こともあります。 市井紗耶香: 男の人が女の人の気持ちを理解できない、その逆もわからない、というのと同じかもしれませんね。でもそれは、電車に乗っていて「この方、体が少ししんどそうだな、席を譲ろうかな」ということと同じで、一歩一歩の歩み寄りな気がしています。もちろんつらさを聞かなければわからないこともあります。逆に触れてほしくない人もいるかもしれないので、そういう「間合い」もすごく必要だなと感じています。 気軽に声をかけることができる、挨拶ができる環境ってやっぱりすごく大切ですよね。コロナ禍で人と人との絆、温度っていうのが感じ取れなくなってしまった分、そういうさりげない温かさが、社会に必要とされていると思います。 ――政治にできることはまだまだあるということでしょうか。 市井紗耶香: 私は、次の参議院選挙の候補予定者辞退という選択をしました。でも、そこは自分の中で全く後悔はしていません。選挙に関わったことで生活と政治は密接に関係している大切なことだということを改めて知りました。政治には生きていく限り、誰しもが結びついています。これからはその部分をもう少しカジュアルにわかりやすく、伝えることができたらと思っています。個人個人の意見を尊重し合いながら、認め合える社会であってほしいですね。 ----- 市井紗耶香 1983年生まれ。千葉県出身。1998年にモーニング娘。2期メンバーとして芸能活動を開始し、4児の母としてアクティブに活動中。2019年参議院議員選挙に出馬するも落選。現在は、自身が発信するナチュラルオーガニックライフが好評を得て、食・環境についての講演やメディア出演を多数おこなっている。コラムニストとして、Webマガジン「saita」で「市井紗耶香の#本音で話そう」を連載中。 文:田中いつき (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)