コロナ禍で人生をあきらめていたライターが、なぜ政治家・小川淳也に会いに行き、何を聞いたのか?
和田:必要以上に仲良くしないように心がけつつ、わからないことをわからないと言って質問しました。一方的に教わるだけじゃなくて、議論にもなったし、意見の食い違いもありました。 安田:原発問題、最低賃金……いろんなテーマをぶつけたわけだけど、そのやりとりからわかるのは「何ひとつ楽観できないな」ってこと。むしろ不安を再確認しましたね。「そうか、小川淳也に任せておけば大丈夫だ!」にはまるでならなかった(笑) 和田:あはははは! でもね、こんな言い方をしたら不遜なんですが、小川さんを使って問題に焦点を当てさせてもらった感じですね。使う、っていやな言い方ですけど。 安田:いや、むしろそのための存在なんですから。最低賃金に張り付いたまま苦労を続けている人、生きるのがイヤになるほど、何の希望も見えない人……そんな人たちのために、働いてくれよ!と。 和田:そういう人って政治家、国会議員なんかと話をしたことは多分一回もないと思うんですよね。もちろん私もなかったわけですし。私もずっと絶望して、苦しくて、バイトばかりして生きてきた。政治が何かしてくれるなんて1ミリも思ってこなかった。 ■なぜ、政治家に会おうと思ったのか 安田:そもそもなぜ、政治家に会ってみようと思ったんですか? それがなぜ、小川淳也だったんでしょう? 和田:きっかけはアエラドットの取材でした。生まれて初めて直接対面した政治家が小川さんだったんです。そのとき彼が何度も『あきらめたくない』っていうことを語っていた。そのころの私はあきらめることしか考えてなかったから、彼の言葉がすごく印象に残ったんです。 安田:そのころ和田さん、あきらめてたんだ。 和田:生きる方法がわからないというか、むずかしかったですね。生きること自体、もう私には無理だと思ってました。「こんなのもう、あきらめるしかないじゃん」と。受付の仕事とおにぎり屋さんの店員と、ふたつのバイトを掛け持ちしてたんですが、まず受付をクビになった。おにぎり屋での接客が怖くてお休みしていたら、そのまま「もう来ないよね」っていきなりクビ。