「総菜に頼ったっていい」──“完璧を目指す”俳優・速水もこみちが料理を続ける理由
「総菜に頼ったって、いいじゃないですか」 俳優、速水もこみち(36)。幼少期から始めた料理の腕前はプロ顔負け。これまで考案したレシピは2500に上る。こだわりを持ち、「つねに完璧を求める男」が示した“ポテサラ論争”への理解。「料理は嘘をつかない」と話す、その真意とは。(構成:大矢幸世/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
オリーブオイル、みんな使わないの?
「今日は、これで決まり!」──。独創的なレシピの数々。味の決め手、オリーブオイルを繰り出す速水もこみちの鮮やかな料理姿を見守るのが、平日朝の定番だった人も多いだろう。日本テレビ系列『ZIP!』内の「MOCO’S キッチン」は8年続く長寿コーナーとなった。 東京で生まれ育った速水。物心ついたときから、周りには刺激があふれ、興味を持つとなんでもやってみたくなる性格だった。 「都会っ子なんでサングラスかけてました(笑)。自転車で『東京タワー行くぞ!』なんて言ったり、渋谷や六本木に行ったりしてましたね」 一方、テレビに対しては、そこまで熱心な視聴者ではなかったという。だが『料理の鉄人』(フジテレビ系)だけは毎週のように見ていた。 「作ってる料理は難しそうだったけど、料理してる男の人ってカッコいいな、って思ったんです」 そんなあるとき、自由研究として自分で作ったパスタの写真を提出。同級生の母親たちから「もこちゃん、すごいね!」と称賛を浴び、料理を始めることとなった。その腕前が一躍注目されたのが、2011年にスタートした「MOCO’S キッチン」だった。
「料理は嘘つかないですから。子どもの頃からやってきたことですし、ありがたいことに、食を通じていろんな人とつながりを持つことができました。番組を始めてから街なかでよく声をかけられるようになったんです。買い物してたら、近くにいたマダムから『私、今晩なにを作ったらいいと思います?』なんて相談されて、『コレなんかちょうど旬の食材だから、使ってみたらどうですか?』って答えたりして(笑)」 回を追うごとに注目されたのは、そのオリーブオイル使い。ツイッターでは「追いオリーブオイル」「オリーブオイル待機」なんて言葉も誕生した。 「洋食系にはオリーブオイルを使うのが当たり前だったので、逆に僕のほうがビックリでしたよ。『え、みんな使わないの?』って」