「総菜に頼ったっていい」──“完璧を目指す”俳優・速水もこみちが料理を続ける理由
「『この男は人生最大の過ちです』でも“ドM社長”という相当クセのある役でしたが、また同じ制作チームからお話をいただいて嬉しかったですね。前回も少女マンガが原作で、どういうふうに演じるか悩んでいたのですが、良いチームワークで最後まで走ることができて。それがきっかけで、たまに少女マンガを読むようになって、今回の原作も読んでいたんです。僕も小学生の頃からアメコミのフィギュアを集めているので、光央には共感できるところもありますね(笑)」 速水自身、俳優にとどまらず料理で活躍の場を広げ、野菜コーディネーターにワインソムリエインストラクター、和漢薬膳師から小型船舶免許までさまざまな資格を持つ「ハイスペック」な人物だ。本人も「つねに完璧を求めていたい」と話す。 「一日一日を完璧に埋めていきたいんです。もちろん、うまくいかないこともありますけど、それならせめて料理だけは完璧にしたい。何事も自分から仕掛けていきたいんですよね」
YouTubeの再生回数は気にしない。やりたいことをやる
2019年からはYouTubeチャンネル「M’s TABLE by Mocomichi Hayami」を開設。「MOCO’S キッチン」から数えて考案したレシピは2500にも上る。 「海外を旅して、美術館を巡って、市場で地元の食材に触れて……そのときの感情と重ね合わせて、一つの料理が生まれるまでの“物語”を作っている。言ってみればその料理が盛られる器も、その物語の一部なんです」 だがこの1年余、そういった「気軽に旅ができる」日常は、遠く失われてしまった。多くの人の行動が制限され、飲食店などは時短営業や休業を余儀なくされた。 「料理人の友人知人が周りにいるので非常に心配です。テイクアウト営業しても、その料理を実際に食べるところまでは目が届かないじゃないですか。もちろん、安全管理上の不安もあるけど、何よりお客さまとコミュニケーションを取ることができない。こうしたことが当たり前になってきているのは、良しあしがありますよね」