森崎ウィン「初映画監督作品は、ミャンマーのおばあちゃんとの思い出を題材にして賞を受賞。今年はソロアーティストデビューから5年、いろいろな才能があるかも?」
◆初監督作は国際短編映画祭でグランプリを獲得 歌や芝居での挑戦以外にも、新たに監督にも挑みました。今年は初監督を務めたミュージュカル短編映画『せん』が、国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2024」でグランプリとなるジョージ・ルーカス アワードを受賞して。さらにライブアクション部ジャパン優秀賞受賞まで、夢のようだなと。僕の頭の中にある、これをやりたい、あれをやりたい、ということを全部盛り込んだ作品です。 俳優をやりながら、いつか自分でも映画を撮ってみたいと思っていました。撮る機会があるならミュージカルがいいなと思っていたら、監督業のオファーが来て。主演は女優の中尾ミエさんにお願いしました。以前『ピピン』というミュージカルでご一緒して、今作にぜひと思ったのでお声掛けするとご快諾いただき、すると賞を獲ってしまった……なので、いろいろな才能はすごくあると思います。(笑) 映画では、中尾さん演じる田舎暮らしをするおばあさんが主役です。もともと描きたかったことがけっこうあって。脚本を上田一豪さんに直談判して、お願いしました。打ち合わせ時に上田さんは、僕の生い立ちから話してみてほしい、と。 僕が幼い頃、両親は日本など海外で働いていて、小学4年生まではミャンマーでおばあちゃんと2人で住んでいました。当時を思い出しながら話しているとどんどんアイデアが出てきて。それを奇麗に脚本にしてくださって、田舎に住むおばあちゃんと離れていた家族の距離感といったものも、全部盛り込まれたストーリーになっています。原案は僕から出していますが、それを作品として各部署のプロフェッショナルの方々がまとめてくださいました。 ミャンマーに住んでいる家族やおばあちゃんはまだ映画を観ていませんが、いつも連絡は取っています。だから、賞を獲った時も連絡が来ました。受賞したというニュースをミャンマーのメディアでも取り上げでくれて。とてもありがたいですね。 <後編へつづく> (構成=かわむらあみり、撮影=本社 奥西義和)
森崎ウィン