森崎ウィン「初映画監督作品は、ミャンマーのおばあちゃんとの思い出を題材にして賞を受賞。今年はソロアーティストデビューから5年、いろいろな才能があるかも?」
◆ミュージカルと自分自身のライブの違い 2023年に発売した2枚目のアルバム「BAGGAGE」で、昨年初めて全国ツアーを行いました。全国のさまざまな場所に行けたのはすごく大きくて、その場所でライブをして、地域ごとに天気も違って、感じることもちょっと変わったりして。ツアーの前半に比べたら、後半のほうが変化している、ツアーの中で成長していくんだなととても感じました。同じ楽曲を歌っても、何度もやるからこそ、見えてくるものもある。 ツアーを経て、楽曲の成長とはこういうことなんだ、と改めて感じることがありました。生で表現していかないと、曲は変わっていかないんだなと思いますね。このツアーの前半の時は並行して主演ミュージカルもやっていたので、ずっと動き回っていました。ミュージカルでは俳優として役を通して表現しているので、僕の曲だったら歌わないだろうというアレンジの曲があります。ただ、それは逆に、森崎ウィンとしては新たな引き出しが増える第一歩でもあるので、すごく楽しいんですよね。 ミュージカルではその役として、お芝居をして歌うので、そこで突然「みなさん盛り上がってますかー!?」とMCするわけにもいかないですよね(笑)。お客さんとのコミュニケーションというよりは、僕らが作り上げてきた作品を提示する場だからです。その一方で、自分自身のライブという場所では、その日、その場にいる方とコミュニケーションを取って、どのように作り上げていくかが重要。もちろんある程度準備をして挑むのですが、よりお客さんと作っていく空間がライブだと感じます。 歌という面では、ミュージカルと僕自身の歌では、声の出し方も違っていて。役によって出す声が違うので、自分の曲では歌わない音域の低いところも、ミュージカルだとやれるきっかけにもなるんです。それで自分の曲の幅が広がったり、それこそ映像の芝居にも生かされたり。声はけっこう大事です。