【名字博士が解説】「中野」さんのルーツとなった地形とは一体?
中野(なかの)
「中野」という名字は、「平野の真ん中」あるいは「山の間の野原」という場所をルーツとする地形由来の名字です。こうした場所はたくさんありますから、ルーツの地もたくさんあります。 そして、こういう場所は「中野」という地名になっていることも多く、各地に「中野」という地名があり、そこをルーツとする地名由来の「中野」もあります。 たとえば、東京の中野区は武蔵野台地の中央にたることから「中野」になったとされています。 また、長野県中野市は、この地域にあった日野郷の中心部だったことから「中野」になったといわれ、鎌倉時代にはここを本拠とする中野氏がいたことが知られています。 現在は、沖縄県を除いて全国にまんべんなく分布しています。 北は北海道から南は鹿児島県まで全国35の都道府県で100位以内に入っており、50位以内の県もたくさんあります。 人口比でみて最も多いのが山口県で、順位でも21位と最も高くなっています。この他、大阪府、福岡県、鹿児島県でも20位台で、どちらかといえば西日本に多い名字といえます。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
家庭画報.com