国民を信じない政治家は国民から信用されない-石破茂氏に聞く【自民総裁選】
自民党総裁選に立候補している石破茂元幹事長(63)に、新型コロナ対策や、安倍政権の評価、政治の信頼回復について聞きました。(選挙ドットコム/Yahoo!ニュースVoice)
新型コロナ対策について
――新型コロナウィルス対策について、いま政府がやるべきことは何でしょうか? 石破氏:一番やんなきゃいかんのは医療現場への支援だと思いますね。いま確かに重症者は減ってるんだけど、それは医療現場、医師であり看護師でありね、そういう人たちのギリギリの努力で今日の状況があるわけでね。ストレスはかかる、感染の恐怖はある、経営は悪い。それはね医療現場は本当にギリギリやってるので、これが崩壊したら終わりだ。これの支援というのが一番急ぐと思っている。 もう一つは、本当に暮らしが苦しくなった人がいますよね。それは、いろんな(コロナ対策の)規制があるんだけど、お願いベースになってるので、補償とは言わないが、経済的支援がなお十分ではない。やはりこれは強制力を伴った規制が本当に感染症の拡大の阻止につながるのであればやらなければいけないが、そこにおいて経済的な支援というものをセットにしないとダメだと思っているんですね。
経済政策、消費税について
――総理大臣になられた場合に、どのような経済対策を行っていく予定でしょうか? 石破氏:株は上がった。企業は空前の利益だ。経営者の人とか(収入が)1億円を超えた人もゴロゴロいる。雇用が増えたって言うけれども、何が増えた? 女性、高齢者、サービス業だよね。働かないと生きていけない人が増えたわけであってね。光の部分は、株が上がり、利益が上がり、経営者がもうけて、有効求人倍率が1を超えた。じゃあ、そうじゃない人たちはどうなるんだろうねってことを考えたときに、そこにこそ伸びしろがあるってことですよね。 一番やらなきゃいけないのは、名目賃金をきちんと上げていくことですね。日本は農業、漁業、林業、サービス業が著しく低いわけね。そこの部分の生産性を上げる。女性の能力を最大限に生かした賃金体系にする。非正規の人たちの名目賃金を上げていく。そうすることによって、経済のGDPの7割を占める個人消費が上がっていくっていう、そういうことですね。 トリクルダウンなんて起こらないですよ、この国には。持てるものが豊かになれば、やがてそうじゃない人に波及するなんていうトリクルダウン、シャンパンタワー理論というのは、そりゃウソなんだよね。 少子高齢化ね。そりゃあと20年たったら、介護に掛かるお金が2.4倍になるんですよ。医療に掛かるお金が1.7倍になるんですよ。どうやってこれを支えるんですか。だから、消費税をガンガン上げて、それに対応すればいいなんて私は言いません。目的は所得の低い人たちの所得をどうやって上げるかってことだから、消費税を下げることだけじゃないでしょうよ。当面消費税は上げない。じゃあ、代替財源どうするのだろうかと考えた時に、もうちょっとお金持ちから取ったら? と言うね。だってお金持ちは増えてるんだもん。どうやって低所得の人の所得を増やし、消費を増やすかということなのであって、その一環で消費税は議論されるべきものなんですね。