「なんとなく合ってる」だけじゃない! カラオケ背景映像の秘密 流れる法則をJOYSOUNDに聞いてみた
忘年会や新年会ではカラオケが定番だが、公式MV(ミュージックビデオ)などが用意されていない限り、画面に流れるのはイメージ映像だ。曲の雰囲気に合っているのはわかるが、不思議と懐かしい趣があり、登場するのは見知らぬ俳優たち…。あの映像は、誰がどのように作っているのか?誰もが一度は感じたであろう疑問の数々を、カラオケ「JOYSOUND」を運営する株式会社エクシングにぶつけてみた。 【実際のカラオケ背景を見る】これ、どんな状況? ■カラオケ映像が歌い手の記憶に残りにくい“納得のワケ” カラオケの意外な真実を明かしてくれるのは、エクシングの制作部部長・金子暢大さんだ。 あまり知られていないかもしれないが、実は歌詞テロップに採用しているのはオリジナルの「ユニバーサル・デザイン・フォント」。視認性を高めるため、色合いにもこだわっているという。 フォントまで開発しているくらいなのだから、背景映像の制作や流し方にも、一筋縄ではいかないノウハウがあるようで…。 「カラオケの主役はもちろん、お店に来ていただいたお客様ですから、気持ちよく歌っていただきたいです。歌詞のテロップを追いにくかったり、曲が頭に入ってこなかったりするといけませんので、背景映像が主張しすぎないように意識しています」 ──映像制作というクリエイティブなお仕事でありながら、あえて控えめな見せ方を追求していると…? 「はい。改めて映像をご覧いただくと、画面の一部で電車や自動車が走っているようなことはあっても、映るものすべてが絶えず動いていることはないはずです。 というのも、歌詞のテロップは基本的に、左から右へと色が変わりながら流れていきますよね。被写体の動きがテロップと逆方向だったり、テロップの流れるスピードと合わなかったりすると歌いにくくなってしまいますので、そこは気を遣うポイントです」 ──そう聞いてみれば、確かに…! 映像はどのように撮影しているのでしょうか? 「撮影班をいくつか組んでいます。内容によってまちまちなのですが、映像1本あたり約2~3か月で企画から撮影、配信までを行うスケジュール感です。 ほとんど東京で撮っているものの、地方を舞台とした演歌などは、その場所の映像を流さないと雰囲気が出ません。そういった“ご当地曲”のために、全国各地へロケに行くこともありますね。なかでも地域のお祭りは、撮影の許可を取るのが非常に大変です…」