寿司×つまみ×バーのハイブリッドが新潮流
店主の深坂勇輔さんは高校卒業後、「服部栄養専門学校」へ入学。料理の道へ進みます。担任教師からの紹介で「食べログ 寿司 TOKYO 百名店」にも選出された「鮨 たかはし」でアルバイトを始め、その後、こちらも百名店選出の「鮨 はしもと」へ。3年間、裏方できっちり基礎を学び「創和堂」のオープニングスタッフとして転職。メニューにはこだわりの酒の肴が毎日50~60品ほど並び、かなり鍛えられたと話します。独立準備期間は「鮨 崚」を間借りして寿司を握っていました。
働き始めた時から「寿司が食べたい人もつまみが食べたい人もお酒が飲みたい人も、満足できる店を作る」という将来のビジョンを定めていた深坂さん。おまかせコース料理(22,000円、30,000円)は20時半が最終入店、席が空き次第アラカルトになります。営業時間は火・水・木・金が17:00~0:00、土・日・祝が12:00~14:30/17:00~22:30で一斉スタートもなし、当日入れるように10席のうち2席はフリーで空けておき、バー使いできるように3席を用意するという自由なスタイルです。
つまみの域を超えたつまみ
おまかせコースは初めにつまみが3品、珍味盛り合わせ、握り10貫、間に名物の季節の餡掛け酢飯を挟み味噌汁という流れ。このつまみは鮑の肝とウニを酢飯に混ぜ、蒸した鮑とグリーンピースをのせた贅沢な一品。一粒ずつ丁寧に薄皮を剥き半分に切ったグリーンピースは主張しすぎず、蒸したての鮑の温度でほんのり温まった酢飯と交わり深い満足感を与えてくれます。
ホタルイカはミンチにしたものとそのままのものを使い、とろんとした食感の中に歯応えも感じさせます。それにしてもホタルイカと行者ニンニクがこんなに合うなんて!
仕上げに振りかけた山椒の風味もアクセントになり、この組み合わせの妙はまさに深坂さんらしい。