1年ぶり復帰戦は出番なし…シュート練習で違い見せるFW古橋亨梧「意識を高く持って」
高温多湿と大雨でタフな戦いとなったインドネシア戦から中3日での敵地・中国戦、コンディションを踏まえればメンバー変更の可能性も大いにある中、1年ぶりの日本代表復帰を果たしたFW古橋亨梧(セルティック)にもチャンスが訪れそうだ。中国・厦門で再始動した17日、練習後に報道陣の取材に応じ、「チームがいい調子で来ているし、連勝しているので、次に向けて良い準備をしたい」と静かに意気込みを語った。 【写真】「昇天した」「救急車で運ばれちゃう」伊東純也のモデル顔負けショットに大反響…久保建英らも脱帽 15日のインドネシア戦(◯4-0)で昨年10月以来の代表戦を迎えた古橋だったが、出番は訪れなかった。ポジションを争う1トップではFW小川航基が80分間プレーした後、後半35分からお呼びがかかったのはA代表デビュー戦のFW大橋祐紀。「出ている選手が疲労感があるのは見ていて思っていたし、その中でもチャンスがあるだろうと思いながらイメージはしていた」という復帰戦はお預けとなった。 それでもFW上田綺世の負傷離脱で掴んだ代表復帰のチャンス。このまま所属クラブに戻るつもりはない。今回のシリーズ中に2度公開されたクロス・シュート練習では、味方からの鋭いボールを次々にゴールに沈めるなど、練習でのアピールも十分。相手DFを置かないシチュエーション練習ながらも、手で相手を押さえる素振りやあえて難しいポジションに入り込むフリーランで、試合の場面を具体的に想定した意識の高さも垣間見せている。 「ああいう練習だとセンタリングが絶対に上がってくるのが分かる練習なので、タイミングやコース取り、相手のCBをイメージしながら動き出すというのはある」。そう練習での狙いを口にした古橋は代表の練習を通じ、周囲の選手からも学びを深めている様子。「本当にいい選手が多い中で刺激をもらっているし、ちょっとしたところでも意識を高く持って、何か成長できるように意識している」と充実感をにじませた。 ゴール前での一瞬の動きで相手を剥がし、少ないタッチでゴールを決めるスキルはヨーロッパでもおなじみの破壊力。「ブロックを引かれた中で、狭いスペースで、僕は上背があるわけではないので、ただ単に待ってヘディングというのではなく、相手の前に入ったり、背中に隠れて動き出すのを意識している」。相手が引いてくるシチュエーションが多いという点でも、対アジアの戦いに活かせる部分はありそうだ。 また古橋は現在、セルティックでは身体を張って収めたボールをシュートにつなげるというプレーにもトライ中。A代表ではライバルにあたるFW上田綺世、FW細谷真大らが得意とするタイプの局面だが、昨季就任したブレンダン・ロジャーズ監督のもと「今のチームでもボールを引き出すところが増えてきている」という。 「もちろんセンターFWなので相手CBを背負いながら受ける形になって、ターンするのは怖いけど、落とし、フリックもしていく中で、勇気を持ってターンするのはちょっとずつできてきている。正直まだまだだけど増えてきてはいる。それをすることで相手CBは嫌だと思うし、より意識していければ」。プレーの幅を広げてきた成長の跡も日本代表の舞台で見せたいところだ。 このシリーズが終われば次の国際Aマッチは来年3月までなく、上田の復帰も見込まれることから、代表活動の場でアピールするには今回が貴重なチャンス。「日の丸を背負っているプライドを背負って、応援してくれる人のことをイメージしながら、勝つためのプレーをしたい。その中で自信を持って自分のプレーができたら」。欧州で積み上げてきた経験と実績を胸に、勝負のピッチに立つ。