「ガチだからアツかった…」ファミコン名作「対戦ゲーム」友情が壊れた“凶悪プレイ”
■相手を奈落の底に叩き落とす…『アイスクライマー』
このように協力プレイのはずが、いつの間にか足の引っ張り合いになる……というタイトルはファミコンでは少なくないが、やはり1985年の『アイスクライマー』(任天堂)も外せない。 同作はポポとナナという2人のキャラを操作し、ハンマーを使って天井の氷を壊しながら上へ上へと昇ってゴールを目指すアクションゲーム。 実は同作は、どちらかのプレイヤーが1つ上の階層に上がると1番下の階層が強制スクロールされ画面下に消えてしまう。このときもし1番下の階層にもう1人のプレイヤーがいた場合は強制スクロールに巻き込まれて死んでしまうのである。 そこで、上手なプレイヤーは片方のプレイヤーを放っておいて、さっさと上へ上へと上がって行ってしまう。 「ちょっと待ってくれー!」という声を尻目に次々と上に上がり、強制スクロールで消されてしまったプレイヤーのなんと多かったことか。 氷を壊すゲームであったが、友情をも壊すゲームとしていまだに語り継がれている名作である。
■かたくなにブロッケンJr.を譲らない『マッスルタッグマッチ』
前述した2作のような「協力プレイ」からのガチケンカ発展だけでなく、やはり対戦要素のあるゲームはいつの時代もハマってしまうもの。 そんなタイトルの1本として、1985年に発売された漫画『キン肉マン』をゲーム化した『キン肉マン マッスルタッグマッチ』(バンダイ 現:バンダイナムコエンターテインメント)に夢中になったという人は多いだろう。同作はキン肉マン、テリーマン、アシュラマン、ウォーズマンといった8人の超人からタッグを作り対戦をするという、これだけ聞けば普通の格闘ゲームのように思える。 ゲームの途中にミートくんが投げてくる命の玉(光る玉)を取ることで各超人がそれぞれ独自の必殺技を出すことができるが、その超人たちの必殺技の強さがあまりにも違いがありすぎるのである。 特にブロッケンJr.が出す毒ガス攻撃は飛び道具であり、当たるとダメージを受けるばかりか、その場で動けなくなる。連続して攻撃を当てることができ、完全なハメ技となっていた。 本来毒ガスを吐くのは父親のブロッケンマンなのだが、この際そんなことはどうでもいいぐらいブロッケンJr.が強すぎるのである。 ブロッケンJr.禁止令を出していた子どもたちも多かったと思うが、それでも頑なにブロッケンJr.を真っ先に選んで譲らない、そんな小学生がいたことも事実。苦い思いでなんとか命の玉をとるべく動くが、結果毒ガスを浴びまくりヘロヘロになったのはファミコン時代のいい思い出だ。