「ガチだからアツかった…」ファミコン名作「対戦ゲーム」友情が壊れた“凶悪プレイ”
■ボコボコの大乱闘が楽しめた『それゆけ大運動会』
4人までの同時プレイが可能となる周辺機器「マルチタップ」がファミコン後期に発売。レアなアイテムゆえになかなかお目にかかれなかったが、このアイテムにより対戦ゲームをより多くの人数でワイワイ楽しむことができるようになった。 『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』は、『くにおくん』シリーズとして1990年にテクノスジャパンから発売されたアクションゲームで、まさに4人での“バトル”が面白かった名作だ。 プレイヤーは4つのチームから1つを選び、「クロスカントリー」「しょうがいべや」「たまわりゲーム」「かちぬきかくとう」という4つの競技を行う。 だが、このシリーズの他作品と同じようなノリで、「運動会」もなんのその、どの競技でも相手を殴ったり蹴ったりボコボコにすることができるのが魅力。競技中には木刀や鉄アレイが普通に落ちていて、殴るも投げるもやりたい放題で、本来の競走はそっちのけの大乱闘になることもしょっちゅうであった。 それに加えて、4チームのうち「れいほうチーム」が強すぎることもあり、ゲーム開始時にれいほうチームを奪い合ったり、れいほうチームの使用を禁止したりするケースもあった。 4つの競技終了後「最優秀選手賞」など個人表彰があるのもなかなか洒落ていて、中には「なめてるやつで賞」というのもあった。 本来の競技と関係なく、常に殴り合いをしているプレイヤー自身がまさに「なめてるやつで賞」を受賞してもいいぐらい、常に勝ち抜き格闘状態のゲームであった。
■1コンに選手交代が許されなかった『ファミスタ』
対戦で加熱するケースはスポーツジャンルでもあった。 通称「ファミスタ」で知られる『プロ野球 ファミリースタジアム』は1986年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたゲーム。後に各年代ごとにバージョンを変えて発売され、野球好きにはたまらないシリーズとなった。 当然2人での対戦プレイも可能な仕様なのだが、選手交代をするためにスタートボタンを押さなくてはならず、それにより非常に「セコい」相手の性格が現れたりもしたもの。 スタートボタンは1コン(1コントローラー側)にしかついておらず、2コンでプレイしているプレイヤーは相手に「選手交代したい」と頼まないと選手を代えてもらえないのだ……。それをいいことに1コンのプレイヤーは選手交代を無視してプレイを続けることができた。 2コンがスタミナ切れのピッチャー側だった場合は、そのまま投げなければいい。だがチャンスの場面で下位打線になったときに、頼みの打者に交代をさせようと2コンが選手交代を申し出ても、セコい1コンは無視してどんどん球を投げてくる。ゲームの中では乱闘に発展することはなかったが、実世界では、それを理由に乱闘が発生していたかもしれない。 当時を思い出すと腹の立つこともあるが、それも筆者のような40を過ぎたおじさんにとって良き思い出である。
ふたまん+編集部