50代、リタイア後のお金はどうする? 退職金・失業手当の受け取り方
勤続年数で退職所得控除額は違う!
●例:1987年4月1日入社 2025年4月1日に退職 →勤続39年! 800万円+70万円×(39年-20年)=2130万円まで非課税! ●例:1987年4月1日入社 2025年3月31日に退職 →勤続38年 800万円+70万円×(38年-20年)=2060万円まで非課税 ▲日ずらすだけで、非課税枠が70万円アップ! お得な制度、退職所得控除はフル活用したいところ。勤続年数は端数を切り上げるため、38年と1日勤めたとしたら、繰り上げで39年とカウントされ、非課税枠が70万円もアップ! 退職日が自分で選べるなら、これを考慮して設定を。
確定拠出年金は受給可能年齢に気をつけよう!
確定拠出年金に10年以上加入していれば、60歳~75歳の間で、好きなタイミングで年金を受給できる。ただし、加入期間によっては受給開始年が遅れるので、注意して(上の表参照)。個人型(iDeCo)も一括給付なら退職所得控除を活用できる
見落としがちな、もらえるお金“失業手当”にも注目
「会社をやめ、次の就職先が見つかるまでの間、失業手当をもらった。そんな経験をもつ読者もいると思いますが、実はこれ、定年退職でも適用されるんですよ」と、板倉さん。 適用条件は、「64歳以下で退職」「原則、退職前2年間雇用保険に1年以上加入」「積極的に就職しようという意思がある」など。条件を満たしていれば、ハローワークで手続きを行い、就職活動を。支給額は退職前の給与額によって変わり、給付日数は最大150日。65歳以上は高年齢求職者給付金という制度があり、「離職日以前1年間に雇用保険に通算6カ月以上加入」していて失業中なら最大50日支給される。 「求職中、ぜひ活用してほしいのが、公共職業訓練。web関連や不動産ビジネスなどの有益なコースがそろっていて、ハローワークで必要だと判断されれば、原則無料で受講できます。しかも、要件はあるものの、訓練を受けている間は、失業手当の給付期間が延長され、交通費(通所手当)も支給されるんですよ」 受講期間が最長2年の介護福祉士や保育士資格取得コースも、その間ずっと失業手当と交通費がもらえるというのだから、一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にも! 再就職、一考したい。
【教えてくれた人】 マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さん いたくら みやこ●女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。相続や資産運用などシニア世代を中心に年間100人以上の相談を受け、メディアでも活躍するエクラ世代。『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。 取材・原文/村上早苗 イラスト/別府麻衣 ※図表の参考文献 『知らないと大損する! 定年前後のお金の正解 改訂版』(板倉 京著/ダイヤモンド社) ※エクラ2024年6月号掲載