元ユヴェントスのサルヴァトーレ・スキラッチ氏(C)Getty images

59歳の若さでこの世を去った元イタリア代表FWのサルヴァトーレ・スキラッチ氏について、ユヴェントス時代の恩師ディノ・ゾフ氏が19日、イタリア紙『レッゴ』のインタビューで語った。 かつて1994年から1997年までジュビロ磐田でプレーしたほか、母国開催の1990年イタリア・ワールドカップ（W杯）で6ゴールをマークして得点王と最優秀選手に輝いたスキラッチ氏。2022年に結腸がんを患い、2度の手術を受けるなど闘病生活を送った後、昨年、テレビ番組に出演して元気な姿を見せていた。だが今月に入り、がんの再発により緊急入院し、18日に帰らぬ人となった。 1989年にシチリアからユヴェントスにやって来たスキラッチ氏をチームに迎え入れた指揮官ゾフ氏が当時を振り返った。 「トト（サルヴァトーレの愛称）とは素晴らしい思い出がある。彼がトリノへやって来た時のことは、決して忘れない。彼は非常に不安げな様子だった。セリエBのメッシーナからやって来て、ユヴェントスで結果を出さなければならなかったからね。非常に繊細でやや内気な青年だった。しかし彼のポテンシャルには気付いていたので、最終的に彼をレギュラーでプレーさせたんだ。それが彼にふさわしかった」 また82歳のゾフ氏は、現役時代のスキラッチ氏の得点力について「シュートが素早く、GKに反応する時間を与えなかった。不意を打つような形でシュートを打っていたので、だから彼は、ゴールを量産できたんだ」と明かした。 また、「もっと重要なキャリアが築けたのでは？」との質問には、「おそらく日本へプレーしに行ったのは、30歳で早すぎたのだろう」との見解を示したほか、1990年W杯について「間違いなく、彼にとって魔法の時間だった。あのゴールを忘れる者はいない。イタリアのカルチョの歴史の一部だ」と称えた。 スキラッチ氏を巡っては、元同僚で現ナポリ指揮官のアントニオ・コンテ氏も、ユヴェントス戦の前日会見で言及。「彼は私のアイドルだった。21歳でユヴェントスにやって来て、多くのカンピオーネに出会ったが、その中の1人が彼だった。トトへ私の思いを捧げたい」などと哀悼の意を表した。