大阪府・吉村知事が定例会見11月18日(全文1)府市で国際金融都市目指す
バックアップ機能を有する都市に
例えばアメリカで言いますと、全体の取引のうちのニューヨーク証券取引所が22.9%、NASDAQ、19、シカゴ、15、それ以外が42ということで非常に分散もされています。でも日本の場合はもう85%が東証に集中していると。完全に一極集中の状況です。もし、これが首都直下型の地震の最大の被害の想定ということですが、95兆円になっています。これは世界の大都市の自然災害リスク指数でいくと、東京、横浜が、世界の主要都市50都市で、まさにワースト1位の状況です。そういうことは当然起きてほしくないですし、ですけれども、これは自然災害ですから、何が起きるか分からないという中で、まず東京に一極集中させているのは、これは人為的にやっているわけなので、そういった意味では大阪がバックアップ機能を有するような都市として目指していくと。その中で国際金融都市を、そのうちの1つとして位置付けをして目指していきたいと思います。 現状ですけれども、とはいえ、このニューヨーク、ロンドンが1位、2位を占め、上海が3位、4位が東京です。大阪はどこにあるかというと39位という状況ですね。これは評価項目としてビジネスの環境とか、さまざまな項目の中で、国際金融センター指数としては、日本だけで見ても、やはり大阪というのは39位、世界的に39位。東京が4位ですから、やっぱり圧倒的に東京のシェアがある中で、どうすれば大阪が国際金融都市を目指していけるのかということを、われわれとしては考えていく。
どういうところにエッジを効かせるか
そして大きな方向性としてはやっぱりエッジを効かせた、特定の項目に集中した特徴のある国際金融都市というのを僕は目指していくべきだというふうに思います。同じ土俵で争っても勝てる相手ではないと、この近辺、勝てる相手、戻してもらえますか、この近辺は勝てる相手でもないと思っていますし、また、勝つ必要もなくて、やはり代替機能という意味ではやっぱりエッジを効かせることによって、アジア圏における国際金融都市としての存在価値を発揮していきたいと思います。次お願いします。 じゃあ大阪のどういうところにエッジを効かせるかということですけれども、大阪はやっぱり民間の都市、民の都市、もともと天下の台所といわれてきました。そして世界で初めて先物取引を生み出した、この発祥のエリアでもあります。米の先物取引を世界初、つくり出したのがまさにこの大阪です。堂島に行くと大きな米粒のモニュメントなんかもありますけども、ああいうのも、もともとやはり大阪で初めて先物取引が行われたというエリアでもあります。自主的な活動、独創的な発想で新たなものにどんどん挑戦するというのが大阪の強みだと思っています。 また、大阪の都市性としましても、日本において第2の経済都市ということで、都市のインフラであったり、生活環境であったり、また、都市の魅力、これは京都や奈良といった周辺エリアも含めて、この関西含めて、やっぱり観光の皆さまがたくさんいる。歴史文化にも非常に魅力が高いエリアでもあります。そういった意味で、東京とは異なる個性を持って、国際金融都市・大阪として日本の経済成長というのを牽引していきたいと思っています。 経済、金融でいくと、歴史的な背景としては先物取引の発祥地であると。そして充実した都市インフラとして証券取引所もあります。これは金融商品のデリバティブを扱う国内唯一の総合取引所。デリバティブ、金融派生商品ですけれども、そこの国内唯一の総合取引所が大阪にあると。もともと先物取引で生まれて、今このデリバティブの総合取引所があるということで、やはりこの分野においてとんがった政策を打っていくべきじゃないかと思っています。 そして充実した交通のネットワーク、国際貿易機構、そして高等教育機関であったり、ライフサイエンスの関連企業であったりと、2025年には関西万博、そして統合型リゾートのIRも誘致をしているという状況で、まさに大阪のポテンシャルとしては非常に大きな可能性があると思っています。